こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
福祉の磁石
国家間の移動は容易ではないといった。
これにくらべると自治体間の移動はずっと簡単である。 パスポートを持ち歩いたり、難しい「移民」の手続きを踏んだりしなくてもかまわない。
日々われわれは自治体の境界を越えているし、 「引っ越し」をしても市役所や町村役場に住民票を移すだけでよい。
このことが国の政治と地方の政治との間に、大きな相違をつくりだしている可能性がある。
中央政府(国)が金持ちから累進課税で高い税金を取り、 恵まれない人たちに対する福祉政策を行っても、前者が国外に逃げ出すことも後者が外国から入ってくることも難しい。
国境のコントロールがなされているからである。
ところが地方政府、自治体が同じような政策を
とったらどうなるだろうか。
金持ちはそこから引っ越してしまうかもしれないし、貧しい人たちがその自治体に集まってくるかもしれない。
実際ある市がホームレスの人たちに給食サービスを行ったところ、回りからホームレスの人たちが集まってきたという。
これを「福祉の磁石 (welfare magnet)」 現象と呼ぶことがある。
そうであるならば、そしてわれわれがある程度の所得再分配、福祉政策を必要と考えるならば、それは国が責任をもって自分で行う。
あるいは地方自治体に命じて必ず行わせる、としなければいけないであろう。
感想
「福祉の磁石 」という現象がおもしろいと思いました。
福祉が充実しているところに移住する傾向はあると思います。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ