とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

外国人の選挙権をどこまで認めるべきか?

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、憲法を学んでいます

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


外国人の選挙権をどこまで認めるべきか?

 


裁判では、地方自治体選挙での《選挙権》 つまり 「投票する権利」が問題となりましたが、もし選挙権を定住外国人に認めても憲法上は許されるとしても、① 国政レベルでの選挙についても同じように考えてよいかどうか、また、②地方レベルでの選挙権といっても、都道府県と市町村とで同じように考えてもよいかどうか、さらに、③地方レベルでも「選挙権」と「被選挙権」は別に考える

べきではないのか、といった問題があると思います。

 


まず①の問題ですが、国政選挙のレベルについては、選挙権も被選挙権も含めて、永住許可を得ているなど特定の外国人に参政権を与えるべきだという主張は、現在までのところあまり支持を得ていません。

 


国政の運営は主権者である《国民》が責任をもって進めていくのが当然だと考えられています。

 


そこで次に②の問題ですが、 同じ地方自治体といっても、都道府県と市町村とでは住民の日常生活への密着度というか、住民にとっての具体的関心などの点で、 かなりの違いがあるのではないでしょうか。

 


そこで、そうした住民の日常生活と非常に密接した市町村のレベルだったら、そこに定住している外国人にも選挙権を認めて一緒に市町村の政治に参加してもらうことが必要だし有益ではないか、いう考えから、少なくとも市町村レベルについては、そうした主張がかなり広く支持されつつあるようです。

 


最後に③の問題。国政レベルでは、国民が選挙で直接に選挙するのは「国会議員」 だけです ( 憲法43条・67条)。

 


ところが地方のレベルでは、地方自治体の議会の議員だけではなくて、都道府県の知事や市長・町長・村長という市町村の首長も、住民が直接選ぶことになっています (93条2項)。

 


そこで、選挙権だけではなくて、議員や知事・市町村長になる資格も外国人に与えてよいかどうかが問題になります。

 


これまでですと、都道府県知事や市町村長は、国のかなり多くの事務を任されて、それを執行する立場にありました。

 


つまり知事や市長などは、国の機関として国の仕事をする手足だったわけです(こうした事務は「機関委任事務」 と呼ばれました)。

 


ところが、近年の地方分権推進に伴う法改正によって、機関委任事務が廃止されました。

 


そうなれば、これまで以上に、地方のことはそれぞれの地方で決めていくべきだという考え方が強くなって、議会の議員はもとより、知事や市長だって、別に外国人であってもいいじゃないか、という主張が出てくるかもしれません。

 


しかしこのあたりの問題は、まだ十分に論議されているとはいえません。

 


なお、選挙権の問題ではありませんが、最近では、外国人にも地方公務員試験を受験する資格を与える地方自治体が出てきていますし、現に、外国人が管理職に就くことを認めるようになった自治体もあります。

 


また、朝鮮人学校の生徒に全国高等学校野球大会への出場を認めるとか、大検コースに合格した外国人にも大学受験資格を与えるなど、外国人との共存の方向が進んでいます。

 


感想

 


外国人の選挙権に関しては、さまざまな議論があることは分かりました。

 


難しい問題ではあると思いますけど、日本人以上に日本に詳しい外国人もいるので、認めていく方向で議論するべきだと思います。

 


下記の本を参考にしました

 


『いちばんやさしい 憲法入門』

 初宿 正典 他2名

 有斐閣アルマ

 

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