こんにちは。冨樫純です。
心理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
過去ではなく未来を眺める
不確実な状況への耐性を高めるために、他にも意識できることがあります。
それは、長期的な視点をもち、過去ではなく未来を見据えて行動することです。
たとえば事故、病気、悪天候など、予測が難しい事情によって、大事なイベントへの参加を諦めざるを得なかったという経験をした時のことを考えてみましょう。
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、オリンピックや国民体育大会も中止や延期になりました。
開催地が決定した時点でこうなることはもちろん誰も予測しておらず、私自身にとっても初めての経験でした。
オリンピックに限らず、スポーツに打ち込んできた選手たちの中には、参加予定だった大会が中止になったと聞き、心にぽっかりと穴が空いたような状態になり、練習に身が入らなくなった方もいたかもしれません。
良い成績をおさめるために一生懸命努力してきたにもかかわらず、急遽大会に参加できなくなるような出来事は、多くの人にとって不安ですし、今後はどうなるのだろうという不確実な状況を生み出します。
特に中高生の部活動などでは、2、3年で結果を出さなければならないような状況が多いため、勝つためにどのような練習をするか、対戦するチームや選手をどう攻略するかなど、直近の成功に目標が設定されがちです。
そうすると、その目標を達成する機会が奪われてしまった時にどうすればいいのかわからなくなってしまうことがあります。
目の前の試合にどうやって勝つかという、直近の成功(目標)を考えることももちろん大事ですが、ぜひ、そのもっと先についても考えてみてください。
なぜ、あなたはそのスポーツを選んだのでしょうか。
中学校や高校を卒業し、大学、社会人と年齢を重ねていく中で、今そのスポーツに打ち込んでいることがあなたに何をもたらしてくれるのでしょうか。
規則正しい生活をして、練習に励んだ経験は、スポーツ以外の何かに役立つことはないでしょうか。「どうやって (How)」、ばかりではなく、「なぜ (Why)」、 の視点を意識することで、物事を長期的に捉え、目標達成に向けて自分をコントールし、適切な行動を取れるようになる場合があります。
より遠い未来を想像しながら活動できれば、目の前の課題に対する失敗や成功の意味も、また違って捉えられるでしょう。
残念ながら、日本人はこの長期的な視点でもって物事を考えるのが苦手です。
日本人は、不運に見舞われた人に対して、アメリカ人よりもその人物の過去の行いに注目して非合理的な推論(日頃の行いのせいで不運に見舞われたのだ)をする傾向にありました。
そして同時に、将来のポジティブな出来事をイメージして現在の不運を乗り切るという考えに慣れていないようでした。
さらに日本では、「成功したい」よりも、「失敗したくない」と考えて行動をおこす人が多いこともわかっています。
試験前に、あなたは「悪い成績を取りたくない」と考えて勉強しますか? それとも「良い成績を取りたい」と考えて勉強しますか?
どちらのタイプであっても、それが学習の質と量を高め、成績を向上させ、あなたの気分を良くするのであれば問題ありません。
しかし、悪い成績を取りたくないという考え方が不安を強めてはいないでしょうか。
次の試験で失敗しないようにすることばかりに注意が向いてしまい なぜ自分はこんなに勉強をしているのかよくわからなくな てしまった、という経験はありませんか。
もしそうだとしたら、いきなりは無理でも、少しずつ未来志向の考え方を取り入れてみてください。
未来は不確実なことだらけで、この先も自分や周囲の人たち、日本社会、世界がどのような出来事に遭遇し、どんな結果を得るのかを正確に予測することはできません。
感想
日本では、「成功したい」よりも、「失敗したくない」と考えて行動をおこす人が多いこともわかっています、という箇所がおもしろいと思いました。
ぼくも、失敗したくないと考えてしまいます。
下記の本を參考にしました
『「心のクセ」に気づくには 』
社会心理学から考える
村山 綾