とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

投票する理由

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、政治学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


あなたはどうして投票するの?

 


1996年の衆議院選挙の投票率はついに60% をきった。

 


しかし、その時でも有権者の半分以上が投票していることは、それ自体、驚いてよい現象である。

 


投票することのメリットは、 自分が最も好ましいと思う候補者に投票して、その候補者が当選することである。

 


でも、自分の1票で結果が変わる確率はずいぶんと低い。 限りなく0に近いといってもいいだ

ろう。

 


そして、投票に行くことで期待できる「便益 (ベネフィット)」はあまり多くなさそうだ。

 


これに比べると、日曜日に投票所に行く 「費用 (コスト)」は高い。晴れていたら、どこかへ遊びに出かけたくなるし、雨が降っていたら外に出るのは億劫である。

 


どうしてこんな面倒なことを人々はするのだろうか。 そして、どうすれば面倒を少なくして、もっと投票率を上げることができるのだろうか。

 


たとえば、投票日の前に自分に都合の良い日時に投票できる期日前投票は、コストを下げるのに貢献している。

 


きっと投票率のアップにも貢献するだろう。 この制度ができる前の不在者投票の場合、窓口で投票日当日の行き先や不在の理由をしつこく尋ねられたりした。

 


今はこんなこともなくなった。

 


しかし、事態はそれほど単純ではないようである。 ある経済学者によると、コストをさらに下げようと、スイスで郵便でも投票できるようにしたところ、小さな町では投票率は上がるのではなく、逆に下がってしまったところもあったという。

 


この現象からこの経済学者は、きちんと投票に行っていますよということを隣人などに見てもらうことが、人々が投票に行く理由になっているのではないかと推測している。

 


自宅でできるようになれば、近所の人に見てもらえないので、かって投票をしなくなるというのだ。

 


人々は自分が労力を使って投票に行く 「費用」と、自分が1票を投じる結果得られる「便益」を計算して行動していると考えるのが合理的である。

 


しかし投票に出かけるという行動そのものも、「便益」に入っているというのは、興味深い観察である。

 


感想

 


きちんと投票に行っていますよということを隣人などに見てもらうことが、人々が投票に行く理由になっているのではないかと推測しているという箇所がおもしろいと思いました。

 


投票に世間体が関係しているということだろう。

 


下記の本を参考にしました

 


『はじめて出会う政治学

 構造改革の向こうに

 北山 俊哉 他2名

 有斐閣アルマ

 

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