こんにちは。冨樫純です。
「非言語的な情報の重要性」についてのコラムを紹介します。
アンバディーとローゼンタールの研究(Ambady &Rosenthal, 1992) は非言語的な手がかりが対人的な印象を大きく左右することを示している。
この研究では、大学と高校の教員たちの協力を得て授業の様子をビデオ撮影した中から、各人につき、10秒ずつ3カットの場面を採取した。
このビデオクリップを見て、それぞれの教員の能力や性格の印象を、(受講者ではない)大学生たちに評定してもらった。
その評定結果と、教員たちが実際の授業で学期末に受講者から受けた授業評価の内容とを比較してみたところ、両者の間には驚くほど高い相関がみられた。
特に、各教員の活発さや自信の程度、熱意や温かさなどについての印象は、合計わずか30秒間のビデオ・クリップからでも、その教員の全体評価を言いあてられるほどの予測力をもっていた。
教員たちの身ぶり手ぶりについて、さらに詳細に分析したところ、顔の表情や手の動かし方といった非言語的な情報が、評価に影響していることもわかった。
教員に限らず、人から見られる立場にある人たちにとっては、かなり気になる話である。
下記の本を参考にしました
『社会心理学』
池田 謙一 他2名