こんにちは。冨樫純です。
本を紹介します。
①この本を選んだ理由
新書大賞の確か3位くらいに選ばれ、筆者の論文がさまざまな賞を受賞しているようなので、興味を持ちました。
②こんな本です
『教育格差』
松岡 亮二著
出身家庭と地域という本人にはどうしようもない初期条件によって子供の最終学歴は異なり、それは収入・職業・健康など様々な格差の基盤となる。
つまり日本は、「生まれ」で人生の選択肢・可能性が大きく制限される「緩やかな身分社会」なのだ。
本書は、戦後から現在までの動向、就学前~高校までの各教育段階、国際比較と、教育格差の実態を圧倒的なデータ量で検証。
その上で、すべての人が自分の可能性を活かせる社会をつくるために、採るべき現実的な対策を提案する。
③こんな言葉が印象に残りました
教育意識の近隣間格差は、文部科学省が学習指導要領や財致的支援によって公立小中学校を標準化し、日本全国どこでも同じ教育を提供しようとしても、どんな近隣にあるかで、その中身が変わってしまうことを意味する。
大卒割合の高い地域の公立学校であれば、子供たちは将来大学に進学することを前提に学校の勉強に取り組むだろうし、親は大学進学に繋がる教育を学校に期待する。
そのような地域の親は同じく大卒である教師と進学準備教育という共通目標のために協働することができる通塾率が高く、学校の授業が塾の復習になっていれば、学校の授業方法にも大きな影響を与える。
一方、学校の「勉強」や高い学歴に価値を見出さない住民が多い地域であれば、教新は子供たちを学習に向かわせたり、宿題を出す意義を親に伝えたりするところから始めなければならない。
(本文より引用)
④この本が気になった方への3冊はこちら
『教育格差の経済学』
何が子どもの将来を決めるのか
橘木 俊詔著
NHK出版新書
耳塚 寛明著
有斐閣アルマ
『教育と平等』
大衆教育社会はいかに生成したか
苅谷 剛彦著
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。