とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

感情と社会心理学

こんにちは。冨樫純です。

 


「 多様な感情の研究」についてのコラムを紹介します。

 


恥は、極端なケースでは、他者に対する攻撃が生じる場合もあるという箇所がおもしろいと感じました。

 


社会心理学ではさまざまな感情の働きについて研究が進められている。

 


ここではその一端を紹介したい。

 


感情の中でも特に他者との関係に関わる感情は、社会心理学において多くの研究がなされている。

 


その代表例として、ここでは恥(shame)、罪悪感

(guilt)、社会的不安(social anxiety)をとりあげる。

 


恥と罪悪感はどちらも、悪い行いに対して感じるネガティブな感情であるが、両者にはさまざまな違いがある。

 


恥は「いけないことをしてしまった私」に対して感じる感情であるのに対し、罪悪感は「いけない行い」に対して感じる感情だとされる。

 


感情のもつ機能的側面に着目すると、罪悪感は、その感情をぬぐい去るために社会的に望ましい行動(たとえば、人助け)を引き起こし、私たちに道徳的規範を遵守させる働きがあると考えられている。

 


一方、恥は、自己防衛的行動を引き起こすが、極端なケースでは、他者に対する攻撃が生じる場合もあり(恥をかかされたことが原因で暴力をふるう)、罪悪感のように道徳的な働きは弱いと考えられている。

 


社会的不安とは、不安の中でも他者との相互作用において経験する不安である。

 


この不安は、他者に対してよい印象を与えたいと望んでいるにもかかわらず、そうできないだろうと思うことによって生じると説明されている。

 


この不安を感じることで、(おそらく望ましくない印象を与えるであろう)他者に対するふるまいを修正することができると考えられ、他者に悪印象を与える可能性を低減させる役割があると考えられる。

 


しかし、過度に社会的不安を経験することは、適切な行動を阻害する可能性が高く、問題となる。

 


このようにネガティブな感情について、その感情が生起する条件をその感情が導く行動と併せて検討することで、その感情の機能が検討されている。

 


上記の3つの感情はいずれもネガティブな感情であったが、ポジティブな感情の中では、幸福感(happiness)の研究が盛んに行われている。

 


これらの研究でとりあげられる幸福感とは、天にも昇るような至福の状態を指しているのではなく、自分の人生全体に対する満足感のような全体的評価に関わる感情である。

 


幸福感に影響を与える要因の幅広い検討から、収入や健康の影響は弱いが、対人関係の影響は大きいことが示されてきている。

 


また個人差の影響も大きく、幸福感の高さは人による違いが大きいこと(幸福感の高い人は一貫して

て高く、低い人は一貫して低い傾向にある)なども明らかになってきている。

 


下記の本を参考にしました


社会心理学』 

 池田 謙一 他2名

 有斐閣