こんにちは。冨樫純です。
哲学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
熱意の落とし穴
熱意はおそらく幸福と関連している。
だが、ラッセルはそこから「熱意があればよい」「熱意さえあれば幸せである」という結論に至ってしまった。
そこが問題である。
実際、ラッセルはこの結論の問題点にも気づいていたように思われる。
彼は熱意の傾けられる道楽や趣味が、大半の場合は根本的な幸福の源泉ではなくて、現実からの逃避になっているとも指摘しているからである。
しかもラッセルは、本物の熱意とは、忘却をもとめない熱意であるとも述べている。
彼は「熱意」とみなされる現象が、単に現実から眼をそらす逃避や忘却のための「熱意」でありうる可能性に気づいているのだ。
そうして得られる「幸福」は、単に、逃避や忘却のための熱意かもしれないではないか?
人間は部屋にじっとしていられないから熱中できる気晴らしをもとめる。そして、欲望の向かう対象が本当に欲しいのだと勘違いする。
欲望を引き起こした原因(部屋にじっとしていられないこと)はそれとは別だというのに。
感想
現実からの逃避になっているという指摘は、説得力があるとぼくは思います。
忘れるために熱中するのです。
下記の本を参考にしました
『暇と退屈の倫理学』
國分 功一郎