とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

賃貸マンションの自由度

こんにちは。冨樫純です。


ある質問や疑問に答える形式で、解決の参考になりそうなことを書いていきます。


法律的なものです。


質問の内容は、主に女性目線からものです。


質問


賃貸マンションに入居して3カ月。


自分のセンスやイメージで家具などを統一しました。


でも、もとからの壁紙の趣味がイマイチ!


自分で新しいものに張り替えてもいいのかな?


それと、実家で生まれた子猫のもらい手が見つからず、私のマンションで飼うことにしたいのですが、ダメですか?


解答


借主の賃貸借契約上の義務には、家賃を払うことのほかに、借りた物を契約の内容および借りた物の性質に従って使用すべき義務、退去までは一定の注意を払って保管すべき義務 (たとえば、火災などを出さないように)、退去·明渡しの際には借りたときの状態に戻して返すという義務(原状回復義務)があります。


個別の契約の中で具体的にどのような取決めになっているかは、契約書を見て下さい。


最近利用される契約書には、「禁止又は制限される行為」などとして、しばしば多くの事項が掲げられています。


たとえば、住居として借りたのに店舗とするなど使用目的を変更してはならない。


家主に無断で又貸ししたり、第三者を住まわせてはならない。


家主に無断で部屋の増改築改造、模様替えをしてはならない。


犬や猫などの動物を飼育してはならない。


銃刀、爆発物、発火物を製造·保管してはならない。


大音響でのテレビ、カラオケ演奏などをしてはならない 。


契約書に書いてあれば無条件でなんでもそれに従わなければならということではあり ませんが、両当事者の合意があり、かつ、他人の財産である賃貸マンションの利用にある程度の制約が伴うのはやむをえません。


したがって、上の例のような契約においては、模様替え(壁紙の張替えは模様替えにあたります) にせよ、ペットの飼育にせよ、家主の承諾が必要で、無断で行えば、契約違反になります。


ただし、無断の模様替え程度の違反であれば、かりに契約書の中に「契約違反の事実があれば家主はただちに契約を解除し、明渡度しを請求でき

る」という規定があっても、契約の解除が認められない可能性が高いでしょう。


しかし、模様替えについては退去の際には元の状態に戻す義務があります (借主はその費用の負担を要します)。


契約期間中に、シャワーや部屋の冷暖房装置などが壊れたような場合に、必要な修理はだれがするのか、どちらの費用でするのか、というと、民法上は修繕費用はどちらが、修繕義務は家主にあるとされています。


家主は、借家人に対して、契約どおりの水準の使用をさせる義務を負っているからです。


ただし、この点についても、契約書の中で別の定めをすることが多く、その場合には、契約書が基準となります。


よくある契約書の例として、電球·蛍光灯の取替え、その他費用の軽微な修繕は借家人が自己負担ですることができ、それ以外の場合は家主が行うが、借家人の不注意から修繕が必要となった場合には、費用は借家人が負担するというものです。


下記の本を参考にしました


『ライフステージと法 』

  副田 隆重 他2名

  有斐閣アルマ