こんにちは。冨樫純です。
ある質問や疑問に答える形式で、解決の参考になりそうなことを書いていきます。
法律的なものです。
質問の内容は、主に女性目線からものです。
質問
来年から1人住まいをはじめたいのですが、賃貸マンションに住んでいる友人に聞いたら、入居の際に、敷金とか礼金とか、家賃以外にもたくさんのお金がいるみたい。
アパートやマンションなどの賃貸住宅を借りるというのは、どういうしくみになっているの?
解答
家主に家賃を払ってマンションなどを借りる契約を(建物) 賃貸借契約といい、普通は不動産業者を通じて契約をします。
さて、情報誌や業者のホームページ上の物件リストの中から、駅から徒歩圏、コンビニへも近い、家賃も予算の範囲というステキな物件が見つかったとしましょう。
ところが、契約条件としてたとえば 「敷金2ヵ月分、礼金2ヵ月分、要保証人」などと書いてあったり、2年の定期借家」 というものもあり、さらに「成約の場合、わが社の手数料として1ヵ月分相当額をもらいます。 よろしいですね」と業者が念を押してくるはずです。
さあ、これらはいったいどういう意味なのでしょうか。
不動産業者への手数料は、現地案内してもらったり、今後も世話になりそうだからしかたがないけれど、「敷金って何?」 「礼金ってだれに何のお礼?」という疑問がわいてきませんか?
何よりも、これらを全部合計すると、たとえば、家賃7万円のマンションに入居するためには、その5倍の35万円を用意しなければならないとす
る事態になります (家貨、敷金、礼金の額には法的な制限はありません)。
怒りがわいてきたところで、法的な話に入りまし
ょう。
まず、敷金 (地域によっては保証金ともいいます)は、契約終了時に借主の契約違反 (家貨の未払や部屋の壁などにキズをつはた場合)による損害賠償の支払を確保するために、貸主側が一定令額を預かるというものです。
ですから、家賃の不払もなく部屋もきれいに使った場合には、預けた敷金は、契約終了(借主が退去する)の時に全額返してもらえるのです (ただし、現実には後述の原状回復の費用ともからんで家主がなかなか返さずトラブルがよく生じます)。
保証人は、借主が支払わなければならない家賃や損害金を払えない、あるいは、姿をくらましたような場合に、借主に代わって家賃などを払う義務を負うことを家主に約束する人で、家主側にすれば、借主の家賃等の不払に備えるものです。
これに対して礼金は、家主のポケットに入り、退
去時にも返還されず、家主の丸もうけの金です。
しかし、借り手は、借り手を探していた物件を借りただけですから、本来貸し手にお礼をする必要はありません。
礼金は、戦後長い間続いてきた貸し手市場、家主優位の環境の中で形成された不合理な慣行なのです。
近年は賃貸物件の供給過剰から入居者優位の状態が生じ、「礼金なし」という取引例も増えています。
また、敷金もなしの、いわゆるゼロゼロ物件もみうけられます。
下記の本を参考にしました
『ライフステージと法 』
副田 隆重 他2名
有斐閣アルマ