こんにちは。冨樫純です。
本を紹介します。
①この本との出会い
元々公共政策に興味があり、先生が薦めていた本なので、読んでみようと思いました。
正直、教科書なので興味がある人は少ないと思います。
②こんな本です。
『公共政策学入門』
民主主義と政策
足立幸男著
本書においてはまず、公共政策の策定にあたろうとするすべての者が認識すべき3つの基本的な事実を呈示する(第1章)。
次いで、それらの事実が政策決定理論に対していかなるインプリケーション(ふくみ)をもつかを検討する(第2章)。
第3章では、2つの章で確認した論点を踏まえつつ、公共政策策定のためのマクロ的な指針を提言する。
それに続く4つの章では、精密な解析を行ううえで必要不可欠な分析用具(効率性、社会余剰、市場の失敗、政府の失敗)の各々を整理·考察する。
最後の第8章では、公共政策策定に関わるマクロな指針と、第4章以降で検討する、政策代替案を相互に比較し優先順位を決定するためのミクロ的な戦略を統合して、上記4条件をみたす公共政策策定指針を定式化しようと思う。
(本文より引用)
③こんな言葉が響きました。
国際関係の緊張や景気低迷などのために公共支出の抑制を余儀なくされ、この戦略を断念せざるをえなくなったときでさえ、国民各層から寄せられるさまざまな要求の間にあえて優先順位をつけ、長期的展望に基づいた財政支出を模索しようとする政策決定者はそれほど多くない。
多くの者は、公共支出を大幅に削減したり、増税に訴えたりするよりはむしろ、公債の発行によって当座しのぎを図ろうとする。その方が、要求間に優先順位を設定したり、増税によって必要財源を確保しようとするより、国民各層の反感を買う危険性がはるかに小さいからである。
公債の発行だけでは十分な対応ができそうにないとき初めて、増税や公共支出の削減がタイムテーブルに上ろうが、過去のいく度かの苦い経験が如実に示すように、増税はよほどの覚悟が政府与党にないと実現しない。そのため、多くの場合結局は、公債の大量発行に各項目毎の予算の一律削減を組み合わせた方策が採用されることになる。
かくして、矛盾が先送りされ、将来世代に負担を転嫁するかたで、問題が「解決」されるのである。民主主義国が今日多かれ少なかれ慢性的かつ深刻な財政赤字に悩まされるようになったのも、ここに主要な原因があるといえよう。
(本文より引用)
④この本が気になった方への3冊はこちら
『政策科学入門』
宮川公男著
『自治体の公共政策』
岩崎忠著
『入門公共政策学』
社会問題を解決する「新しい知」
秋吉貴雄著
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。