こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
政策で選べる?
政治学ではマスメディアの推奨する投票の仕方を政策投票と呼ぶ。
各候補者が主張している政策を知ったうえで、それらを検討し自分が最も良いと思う政策を主張している候補者に投票する。
これが理想的な政策投票だというのである。 野田聖子はこのような選挙をめざしてきたが、それでは勝てないと選挙戦術を変えたのである。
それではなぜ政策投票は困難なのだろうか。
理想的な政策投票をするために、投票者はすることがいっぱいある。
まず、世の中で話題になっている問題が何であるかを調べる。
次に、これらの問題に対してどのような政策が可能であり、それぞれの政策をとったときには将来どのような結果が生じるかを予想し、自分にとって最も望ましい政策を確定する。
さまざまな問題の中で、自分にとってどの問題がどれくらい重要か優先順位をつける。
各候補者がそれぞれの問題に対してどのような政策を主張しているかを調べ、各候補者の政策がもたらすと予想される結果を、自分が望む状態と比較する。
この作業をすべての問題について繰り返し、問題の重みの差を考慮しつつ各候補者の総合得点を出す。
最高点の候補者を選ぶ。 こんな具合になる。
A候補は、環境保護に熱心であるが、消費税をもっと増税すべきだと考え、さらに国際貢献のために自衛隊をもっと利用すべきだと考えているとしよう。
B候補は、環境保護にはそれほど熱心ではないが、消費税の増税に反対しており、そして国際貢献にはあまり熱心ではないとする。
さてあなたが環境保護には熱心であるが、消費税の増税に反対であり、国際貢献は自衛隊にがんばってもらいたいと思っているとき、どちらの候補者に投票するのだろうか。
これを決めるためには、先に述べた手順に従って両候補者の「得点」を計算する必要がある。
しかし、 実際にはこのような政策投票は行われない。 なぜなら、投票者が、現在話題となっている問題をすべて理解し、候補者の政策とその政策のもたらす結果について十分な情報をもつことはないからである。
あらゆる問題について自分の意見を決めるのはもっと大変である。 日本の国際テロ対策、汚染米問題、高齢化社会における医療問題のような新聞紙上をにぎわす問題にとどまらず、老人に公共交通機関の敬老乗車券を提供すべきか、ごみの分別収集をどこまでやるのか、政治が解決することが求められている問題は、数え上げればきりがない。
感想
確かに、理想は政策投票かもしれませんが、現実には難しいと思いました。
ちなみに、ぼくも、ここまで綿密に計算して投票したことがありません。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ