こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
地方の仕事の範囲の決め方
機関委任事務というしくみがあっても、地方が一定の独自性を発揮することができると述べた。
日本では、国と地方の仕事の分担をあまりはっきり決めないようにしてきているからである。
少し詳しく説明しよう。
地方自治体の権限の決め方には、大きく分けて2通りある。
第1は「制限列挙方式」である。 この方式では、国と地方自治体との仕事を明確に区分する。
地方の仕事は制限的に列挙されるが、法律や憲法に列挙されれば、自治体はその問題については自分たちの仕事として、国から日常的な監督を受けることなく、その仕事をすることができる。
しかし、自治体がその権限の範囲を越えて活動しようとすると、それは越権行為ということで許されないのである。
イギリスやアメリカなどの国において発達した方式である。
第2は「包括授権方式」といわれるものである。
この方式では、地方の固有の仕事については広く権限を認め、その代わり、地方と国との仕事をあまりはっきりと区別することはしない。
自治体は国の下部機関として働かされるが、地域の総合的な行政の担い手となるのである。
ドイツやフランスなどヨーロッパの大陸諸国において見られるやり方である。
この2つの方式の違いを表現するのに、レイヤーケーキとマーブルケーキのたとえが使われる。
制限列挙方式では国と地方との関係がきっちり分けられていて混じり合っていないために、二層ないし三層からなっているレイヤーケーキに似ている。
これに対して包括授権方式の場合、国と地方との関係が混じり合っていて、マーブルケーキのような様相を呈することになる。
日本はこの2つのうち「包括授権方式」 の方を採用している。
代的な地方自治制度が日本でつくられたのは明治時代であるが、その際にドイツの影響を強く受けたことが反映されているのである。
第二次世界大戦後の占領改革においても、この方式は変わらなかった。
この方式は、前に述べた機関委任事務を地方にさせるうえで便利な方法であった。
地方の仕事が制限されていないために、国は自
分の仕事を地方に任せやすかったからである。
感想
国と地方の仕事の分担をあまりはっきり決めないと、何かあった時に責任のなすりつけあいみたいなことが起きそうだと思いました。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ