とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

はっきりと分けるのがよい?

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、政治学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル

 


はっきりと分けるのがよい?

 


日本では、「包括授権方式」 が採用されているが、理想は英米型の「制限列挙方式」であると考えられてきた。

 


たしかに、地方の仕事と国の仕事をきちんと分けるという考え方は、アピールする点が多い。

 


きちんと仕事を分け、お互いが不必要に干渉するのを避けることによって、国にも地方にも責任感が生まれると考えられる。

 


国の仕事は、地方自治体に委託したりするのではなく、国が地方に自分の出先機関を設置してそこで事務を実施する。

 


ある仕事が国の仕事であり、同時に地方の仕事でもあるという状況では、お互いにもたれあいながら仕事が行われるであろうし、 もしうまくいかない場合でも、自分が悪いのではないというように責任逃れをすることが可能である。

 


「包括授権方式」に基づいて中央と地方とが協力し合うといえば、聞こえはいいが、要するに責任の押しつけ合いではないかというわけである。

 


また、このように仕事を行うのは非効率的でもあるだろう。

 


なぜなら、地方自治体だけでは決定がなされず、必ず国側の許認可や指導を受ける必要があるからである。

 


そのための連絡に要する手間や費用は、馬鹿にならない。 実際、国と地方の仕事がはっきりと分か

れていないため、次のようなコストが生じている。

 


第1に、多くの地方自治体は、東京事務所というものをつくって、そこに職員を常駐させ、情報収集や連絡の仕事を担当させている。

 


興味深いことに東京に近接した横浜市でさえ東京事務所をもっている。

 


第2に、東京事務所だけで仕事がすむわけではないので、地方自治体の長や幹部が、東京に頻繁に出張する必要がある。

 


補助金をもらいに行くというのも、出張の大切な目的である。 それに費やされる金や時間も、やはりコストである。

 


第3に、中央官庁からの天下りを受け入れていることに伴うコストである。

 


天下り官僚は中央官庁とのパイプ役を果たしてくれるだろう。

 


しかし、彼らが自治体の主要なポストを奪ってしまうために、職員のやる気を奪ってしまうかもしれない。

 


これもやはりコストに入れられる。

 


こうした多くの問題点のために 「包括授権方式」はこれまで批判の対象になってきたのである。

 


感想

 


デメリットがあるのにはっきり分けない理由は何かあるのだろうかと思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『はじめて出会う政治学

 構造改革の向こうに

 北山 俊哉 他2名

 有斐閣アルマ

 

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