こんにちは。冨樫純です。
哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
味覚は低級感覚か
美学はセンスや芸術を研究する哲学である。
そのための題材として、絵画、彫刻、音楽などが主に取り上げられてきたが、食べ物やその味が表立って取り上げられることはなかった。
その理由は感覚の区別にある。絵画や音楽を鑑賞するために使われる視覚や聴覚は、知性や思考が関わる「高級感覚」であるが、食事に関わりそうな感覚、味覚や嗅覚、触覚は動物的で本能的な「低級感覚」だとみなされていた。
そして、低級感覚では音楽や絵画の鑑賞と並ぶ経験は得られないと考えられていたのである。
低級感覚を通して経験できるのは単なる快や心地よさにすぎず、それらでは美や芸術の経験に不可欠な知性的な要素が得られない。
といった哲学者ははっきり述べているし、その源流は古代ギリシャまで遡ることができる。
プラトンやアリストテレスも美とは視覚的に与られるものであると考えていたようだ。
しかし、味覚や嗅覚、触覚に知性的な働きが関わらないというのは本当なのだろうか。
実のところ、その根拠が明確に述べられることはほとんどない。実際、先ほど名前を挙げた哲学者たちも、何か議論のうえでそう主張しているわけではない。
むしろ、それらが知性的でないことは説明の必要がないほど明らかだと思われていたようなのである。
感想
味覚が低級感覚とイメージはありませんが、そうみなされているようで、意外でした。
下記の本を參考にしました
『美味しい』とは何か
食からひもとく美学入門
源河 亨