こんにちは。冨樫純です。
哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
五感で味わう
人間には視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚の五つの感覚が備わっている。
これら五つのうち味の判断に関わるのは、もちろん味覚だと思われるだろう。
おいしいかどうかは、甘さ、辛さ、しょっぱさ、苦さ、それらのバランスといったもので決まり、それを判定するのは舌だと考えられるのではないだろうか。
しかし、この考えに反対する。
というのも、私たちが普段感じている味は、五感
すべてが働いた結果として知覚されていだからだ。
注意すべきなのは、五感すべてを使った方が食事をより楽しめるということではない。
むしろ、五感すべてを使わなければ普段私たちが感じる味にならないということである。
味覚だけで味を感じることはめったになく、できたとしても、そこで感じられるのは私たちがよく知っている味とはかけ離れたものであるだろう。
また、別の目的もある。 それは、「飲食物は美的な評価の対象にはならない」という古典的な哲学の見解に反対することだ。
美的な評価がどういうものかは、ひとまずここでは、私たちが芸術作品や雄大な自然を前にして下す「美しい」「素晴らしい」といったものだと理解しておけば十分だ。
飲食物がこうした評価の対象にならないとされてきた理由は、味覚をはじめ飲食に関わる感覚が何かしら劣ったものだと考えられていたからである。
しかし、この考えに反対し、飲食も芸術と同じように評価されうるものだと主張する。
その根拠は、先ほど述べたように、飲食の経験には味覚と嗅覚だけではなく五感すべてが関わるからである。味は多感覚(マルチモーダル)知覚の対象なのだ。
感想
たしかに我々は、味覚だけでなく、五感で味わっていると思いました。
下記の本を參考にしました
『美味しい』とは何か
食からひもとく美学入門
源河 亨