こんにちは。冨樫純です。
独学で、倫理学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
倫理の問題を明確化するポイント
①問われている倫理はどんな理解に基づいているか
重要性理解、人間性理解、行為理解、見方理解
②具体的にはそれ[重要なもの/人間にとって良いもの 良い行為/良い見方」は何か
③目指しているものは何か
それらの保護/より良い在り方
④どの強さで問われているのか
「~してもいいか」「~することは良いことか」「~するべきか」「~しなければならないか」
⑤使われている言葉、表現は不当に歪められたものになっていないか
⑥発言を封じられているもの、立場を声にできないものはいないか
なお⑥については、ここで初めて登場する要素で、後で解説します。具体的に考えと、たとえば以下のようになります。
事例:「ヒト受精卵の遺伝子操作は倫理的に許されるか」という倫理的問題を考える場合
Aさんの考え
①倫理とは、人間にとって良いものを示すものだと思う。
②具体的に、良いものとは幸福のことだと思う。
③人々の幸福をより多くするにはどうしたらいいか、ということを想定している。
④ 政策として、制限した方がよいかどうかを考えたい。
⑤特に問題はないと思う。
⑥特にいないと思う。
「ヒト受精卵の遺伝子を操作することは、人間にとって良いものである幸福を増やすだろうか。
もし、そうではないのなら、制限した方がよいのではないだろうか」
Bさんの考え
①倫理とは、深刻で重要なものを示すものだと思う。
②具体的に、重要なものとは、自分のことは自分で決める自律のことを指すと思う。
③自律を守るにはどうしたらいいかを考えたい。
④政策として、禁止するかどうかを考えたい。
⑤ ヒト受精卵という言い方には、対象をただのモノとして扱う見方が含まれているのではないか。
⑥ 将来、人間になり得た存在の立場が排除されがちであると思う。
「これから人間に育つ胚の遺伝子を操作することは、人間にとって重要なものである自律を脅かしはしないだろうか。もし、そうであるのなら、禁止すべきではないだろうか」
感想
Bさんの方が説得力のある考え方だと思いました。
特に、重要なものとは、自分のことは自分で決める自律のことを指すと思う、という箇所がなるほどと思いました。
下記の本を参考にしました
『「倫理の問題」とはなにか』
メタ倫理学から考える
佐藤岳詩著