こんにちは。冨樫純です。
哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
はじめて知るチェルノブイリの日常
2013年の4月の1週間、津田大介さんや開沼博さんとともに、チェルノブイリに取材に行ってきました。
ぼくはいま福島第一原発観光地化計画という大きなプロジェクトを立ち上げています。
そのなかで、原発事故の「先輩」にあたるチェルノブイリの現状を知ろうと思い、ウクライナを訪れました。
実際に原発周辺の見学ツアーに参加し、「観光写真」を撮影し、政府関係者や旅行会社関係者にもインタビューを取ってきました。
成果は『チェルノブイリ・ダークツーリズム・ガイド』という本にまとめています(2013年7月に刊行)。
取材ではさまざまな驚きや発見がありました。なかでもいちばんの驚きは、チェルノブイリ市がいまも多くのひとの「日常」の場になっているということです。
チェルノブイリ市中心部は、じつは原発から15キロほど離れています。
それでも、原発から30キロを目安とした地域は、いまでも「ゾーン」と呼ばれる立入禁止区域に設定されており、許可なく立ち入ることはできないし、住むことも許されていません。
チェルノブイリ市もいちおうこの「ゾーン」内に
含まれています。
しかしだからといってまったくの無人地帯が広がっているのかというと、そんなことはぜんぜんないのですね。チェルノブイリ市には、住民こそいないのだけど、役所があり、研究所があり、食堂もあればバスターミナルもある。
車も行き来している。なぜか。考えてみれば当然ですが、 事故処理にも除染にも労働者は必要だし、彼らの生活を支えるためのインフラも必要だからです。
そもそもチェルノブイリ原発は、発電はさすがにしていないのですが、いまでも送電所としては使われ続けていて、原発内にはおよそ3000人の労働者が働いている。
つまり原発内は労働者がたくさんいるんです。「チェルノブイリ」という記号に踊らされていると、そういう現実が見えなくなります。
短い滞在ではありましたが、ぼくたちはチェルノブイリで、そこでどういうひとが働いているのか、どんな食事を摂っているのか、どんなものを買っているのかを目にすることができました。
「チェルノブイリの労働者」と聞くだけだと、防護服で完全防護された人々が悲壮な表情を浮かべて苦役労働を強いられているすがたが想像されます。
これは「フクシマの労働者」でも同じかもしれない。でも実際には違います。チェルノブイリ原発内はかなり明るい雰囲気なのです。
的はずれな想像を避けるためには、実態を見るのがいちばん早い。
福島第一原発事故のイメージに踊らされている日本の人々は、チェルノブに行くべきだと感じました。
ちなみに、チェルノブイリの立入禁止区域内の空間放射線量は、東京とたいして変わらないくらいに低いものです。
数字の解釈はいろいろだと思いますが、とにかくそれは事実です。
感想
「チェルノブイリの労働者」と聞くだけだと、防護服で完全防護された人々が悲壮な表情を浮かべて苦役労働を強いられているすがたが想像されます。
これは「フクシマの労働者」でも同じかもしれない。でも実際には違います。チェルノブイリ原発内はかなり明るい雰囲気なのです。
という箇所が意外でした。
現在の福島原発もそうであって欲しいと思いました。
下記の本を參考にしました
『弱いつながり』
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東浩紀著