とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

プライバシーの生い立ち

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、憲法を学んでいます

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


プライバシーの生い立ち

 


プライバシー権も人権なんだ、つまり他人のプライバシーを侵害するのは人権侵害なんだ、ということはわかってもらえたと思います。

 


では、プライバシーって何なのでしょうか?

 


プライバシーと聞けば、私生活とか秘密とかを連想するでしょう。

 


19世紀末のアメリカで、ゴシップ誌の氾濫に対して最初に唱えられたプライバシー権の定義は、「ひとりで放っておいてもらう権利」といったものでした。

 


また日本の裁判所も、「私生活をみだりに公開されないという保障」などという定義をしていた時期があります。

 


1964(昭和39) 年の『宴のあと』事件判決などがそうです。

 


金閣寺』『仮面の告白』 などを書き、一時はノーベル賞候補などとさわがれた作家の三島由紀夫 (のちに配下とともに軍服を着て自衛隊駐屯地におしかけ、クーデタをあおった揚げ句に割腹自殺をとげました)が一彼の作品のなかでは評価の低い小説ですが、『宴のあと』を書きました。

 


この本は、都知事選に立候補して落選した旧社会党系の政治家有田八郎氏と料亭の女将とのおいらくの思惑がからんだ男女関係をモデルとしたモデル小説 (登場人物の名前は変えているが、読者には誰のことかすぐわかる小説) だったため、有田氏が三島氏と出版社をプライバシー侵害だとして訴えたのがこの事件です。

 


東京地方裁判所は、三島氏側に損害賠償を命じる原告勝訴の判決を下しましたが、その後、両者が和解したため、高等裁判所最高裁判所の判決は下されていません。

 


この判決は、プライバシー侵害の訴えに対して損害賠償などの法的救済が認められる条件として、次の3点をあげています。

 


①私生活上の事実であるか、そうでなくてもそのように受けとられるおそれのある事柄であり、②一般人の感受性で当事者の立場に立てば公開されないことを望むと思われる事柄であり、③実際に世間一般にはまだ知られていない事柄であること。 この3つの基準は、最近の判例でもよく使われています。

 


感想

 


プライバシーという抽象的な言葉を定義付けているので、イメージしやすいと思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『いちばんやさしい 憲法入門』

 初宿 正典 他2名

 有斐閣アルマ

 

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