こんにちは。冨樫純です。
独学で、憲法を学んでいます
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
プライバシーの変身
最近の高度情報化社会 (この言葉はフライング気味にかなり前から使われてきました)やマルチメディア社会 (パソコンの宣伝ではそういわれています)においては、個人のプライバシーを侵害するのは単発的なのぞき行為や盗み撮りだけではありません。
あなたは最近ガソリンスタンドで、住所・氏名・年齢などを記入して会員になりませんでしたか。
レンタル CD ショップではどうですか。
そうやって他人に教えてしまった個人情報が、かりにどこか1カ所のコンピュータに、あなたの愛車や好きなミュージシャンなど個人の趣味にかかわる情報を含めてインプットされていたとしたら・・・・・・。
かしこいコンピュータは、かなり正確にあなたの性格や人生観、価値観などを割り出すかもしれま
せん。
20世紀前半に活躍したフロイトという精神分析学者は、その人がみる夢で本人も気がついていない性格や、忘れてしまっている過去のできごとなどを知ることができると主張し、 実際にその方法で
カウンセリングを行っていたそうです。
なにげない夢の告白が本人の人格の中心部分を他人に知らせることになるのであれば、みなさんがせっせと応募している賞品付きのアンケーはがきやFMのリクエスト・メールだって、全部集められたらなにがバレてしまうかわかったものじゃありません。
少なくとも、コンピュータ占いのときに申告するくらいの個人データは、あちこちで何気なく記入しているのですから。
つまりこれだけ個人情報が行き交うようになると、さまざまなルートを通じて集められた個人情報が、自分の知らないところでコンピュータを使った情報処理によって、いろいろな観点から分類されたり組み合わされたりしかねないのです。
実際のところ、みなさんがバラまいた個人情報は、企業によってカードの信用調査やダイレクトメールの発信などに使われたり、役所の行政目的に使われたりしているのです。
そんなのヘッチャラさ、オイラ悪いことなんもしてないから、なんてうそぶいている君、住基ネットって知ってる?
1999年の暑い夏、通信傍受法なんかといっしょにどさくさで住民基本台帳法の改正が可決されちゃったんだけど、 「国民総背番号」だって心配してる人もいますよ。
2013年5月には、納税や年金の個人情報を一元管理できるようにする共通番号法(マイナンバー法)が成立し、2015年10月から国民に番号が割りふられることになりました。1人ずつに番号をふっちゃえば、そこにいろんな個人情報をぜんぶ集めてみると、ほら、君の他人に知られたくない 「ほんとうの自分」が浮かんでくるかもしれません。
こうなると、 「ひとりで放っておいてもらう権利」とか「私生活をみだりに公開されないことの保障」では、プライバシー保護の定義としては心もとないですよね。
それに、今日のように職業が専門分化すると、自分ひとりでは誰も生きていけないのですから、「ひとりで放っておいてもらう」のは決していいことではなくなっているのです。
『大草原の小さな家』 の主人公のお父さんのように、何でも自分でやってしまう自主独立のスーパーマンはもはや居場所がないのです。
それに、たとえばひとり暮らしの寝たきりのおばあさんに、『市役所としてはおばあさんの「ひとりで放っておいてもらう権利』というプライバシー権を尊重したいんです。
だから誰も訪ねて行きませんから、私生活をエンジョイしてください」 なんていえないでしょう。
これまでのプライバシー権の定義は独り立ちした
強い人間だけを念頭に置いていたのであって、この観点からも、見直す必要が出てきているといえましょう。
感想
プライバシーの保護の対象外になる人もいることを学びました。
下記の本を参考にしました
『いちばんやさしい 憲法入門』
初宿 正典 他2名
有斐閣アルマ