こんにちは。冨樫純です。
独学で、経済学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
帝王切開のほうが儲かる場合・・・
帝王切開の件数は世界中で増え続けていますが、もちろん、その中には医学上必要があって行われるものも含まれています。
一方で、医学上必ずしも必要がないような帝王切開が多く見られ、その数が増えているとも言われています。
なぜ数が増えているのか。その背景には、医療者に対する訴訟リスクがあるようです。
医療者が最善を尽くしていたとしても、医療事故が起きた際に、遺族から多額の賠償金を請求されるだけでなく、刑事事件として告訴され、マスコミにも批判的に報道されるリスクもつきまといます。
訴訟リスクをできるだけ小さくするために、少しでも不安があれば帝王切開を選ぶ医療者の立場も理解できます。
また、国によっては診療報酬体系のせいで、帝王切開が必要以上に行われているのではないかとも言われています。
提供した医療サービスの内容によって報酬が支払われる出来高払い制度のもとでは、通常分娩よりも帝王切開のほうが高い報酬が支払われます。
こうした診療報酬体系のもとでは、医療者が帝王切開を選ぶ経済的なインセンティブが組み込まれているのです。
アメリカの研究では、少子化が進み、出産件数が減ることによる収入減を補うため、産科医が1件あたりの報酬が高い帝王切開を選ぶようになったことが報告されています。
カナダの研究でも、帝王切開で得られる診療報酬が引き上げられた州では、産科医によって帝王切開が選ばれやすくなることがわかりました。
もちろん、お金儲け第一主義のお医者さんはどの国でもごく一部に限られるとは思いますが、帝王切開を選ぶことを医療上ある程度正当化できる場合には、帝王切開がより選ばれやすくなることは否めません。
これらの研究は、医療においても、経済的なインセンティブが無視できない影響を持っていることを示しています。
そして、患者側の都合による帝王切開も少なくありません。 帝王切開のほうが楽に出産できるという誤解が一般の人々の間に広まり、帝王切開を望む患者が増えてきたと言われています。
また、患者にとっても医療者にとっても、予定が立てやすい帝王切開を便利だと感じる人が増えてきており、人々が帝王切開を好むようになってきていることも増えている理由だとされています。
感想
帝王切開での出産が増えているということが、意外でした。
おなかを痛めて産んだと言われますが、それが減ってきているようです。
下記の本を参考にしました
『家族の幸せ』の経済学
データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実
山口 慎太郎著