こんにちは。冨樫純です。
独学で、経済学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
子どもが熱を出した時、会社を休むお父さんは増えたのか
ノルウェーやスウェーデンといった国々では、お父さんだけが取ることのできる育休を用意しましたが、この目的は「イクメン」を増やすことにありました。
これらの国々でも以前は、育休は女性が取るものとみなされていて、育休取得率には大きな男女差がありました。
これが、家庭内のみならず社会における男女の役割分担を固定化するという心配から、お父さんの育休取得を政策的に促したわけです。
ここまでに見てきたとおり、北欧の国々での育休改革は、たしかにお父さんの育休取得を大幅に増やしました。
では、その結果、期待通りに「イクメン」は増えたのでしょうか。
スウェーデンでは、12歳までの子どもが病気をした場合には、育休と似たような形で、親は看病休業を取ることができます。
給料の15~80パーセント程度が手当として支払われ、子ども一人あたり年間60日まで取ることができます。
スウェーデンでは、子どもの看病のために仕事を休むのは普通のことで、2歳児で見ると、56パーセントの子どもは少なくとも一方の親が休業を取っています。
大きくなるにつれて、子どもが病気をすることは減りますから、それにともなって両親の休業も減っていきます。
研究では、育休改革の結果、お父さんが子どもの看病のための休業を取るようになったかどうかを検証しています。
お父さんの看病休業が増えていれば、「イクメン」化が進んだとみなそうという考え方です。
研究によると、スウェーデンの1995年の育休改革では、お父さんの育休取得日数の平均は30日から45日へと50%も増えました。
しかし、子どもの看病のための休業はほとんど変化しませんでした。
お父さんの育児と家事への参加を、子どもの看病のための休業だけで測ることができるかという疑問は残るものの、この論文の著者らは、お父さんが育休を取ることと、その後も「イクメン」であり続けるかどうかは必ずしもつながらないのだと結論づけています。
関連した研究はノルウェーでも行われました。 ノルウェーの研究では、データの制約のため、お父さんがどの程度、家事や育児に関わっているのか直接検証することはできませんでしたが、お父さんの育休取得が子どもの発達に与えた影響を知るために、子どもの学校での成績に着目しています。
この研究によると、1993年の育休改革の結果、お父さんの育休取得が増えました。そして、お父さんが育休を取得した場合、子どもが1歳になったときの偏差値が1ほど上がったそうです。
なぜたった数週間のお父さんの育休取得が、15歳時点での子どもの成績に影響しうるのでしょう。
論文の著者らは、わずかな育休取得でも、ライフスタイルに大きな影響を与え、お父さんが子育てに熱心になった可能性を重視しています。
また、心理学の知見によると、生後1年間の親子のふれあいが、その後の長期にわたる親子関係に大きな影響を及ぼすことを引用し、短い育休取得でも子どもへの影響が持続しうると論じています。
この研究では、両親と子どもの関わりを直接検証しておらず、実際に何が起こったのかをうかがい知ることができないため、著者らの説明を鵜呑みにすることはできません。
しかし、お父さんの育休取得は世界全体でもあまり進んでおらず、そのため、お父さんの育休取得の子どもに対する影響はほとんどわかっていませんから、その意味では貴重な研究です。
今後、研究の蓄積が進むにつれて、先に述べたような欠点も克服され、より詳しい理解にたどり着
くことが期待されています。
感想
おもしろい研究だと思いました。
気になるところではありますが、なかなか研究するほどのことではない感じがするからです。
日本ではなおさらここまで研究した人がいるかどうかわかりませんが、して欲しいと個人的には思います。
下記の本を参考にしました
『家族の幸せ』の経済学
データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実
山口 慎太郎著