こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
強制力の必要性
ポップスからクラシック、 現代音楽までカバーする坂本龍一のコンサートは、年齢制限を設けないそうである。
0歳児でも入場可能ということだが、実際には子供の泣き声が何カ所から上がることになった。
坂本は、音楽を楽しみに来ている方もいるので、たとえばロビーへ行ってあやすなどの常識的な対応をしてください、という趣旨のアナウンスをしたそうだ。
ただ、常識といっても人それぞれであり、何が常識的かには議論の余地がある。
そもそもコンサート会場で大きな声を上げるなどの非常識な人がいれば、強制力を使って排除しなければいけないことになる。
この音楽家は 『非戦』 という書物を監修していることでも有名であり、そこでは武力行使が問題解決にはつながらないと主張している。
しかしながら、強制力を背景として秩序が維持されているから、コンサート会場で音楽を楽しむということが可能となる。
政治的な秩序も強制力の存在なしには維持されることが難しい。
政府が強制力を用いて、秩序やきれいな空気などの公共の利益を実現するのは望ましいことである。
だが、それが国家権力として国民に不幸をもたらしてきた歴史があったという点を重視して、国家や政治に対して消極的な態度をとる人がいる。
そこから一切の強制力や権力を否定したいという理想主義的な考え方も出てくる。
しかし、それは実際には難しい。
日本のパンクロック・バンドのザ・ブルーハーツは『TRAIN -TRAIN』で、世の中 「いいやつばかりじゃないけど悪いやつばかしりでもない」と唄っている。
政治学者も、人間は天使でも悪魔でもない存在であることを強調してきた。 天使ではないので、人々の行為を強制力によって規制し、公益を実現することが時に必要となる。
しかし、幸いなことに完全に悪魔ではないので、自由な社会が存立しうるのである。
感想
政治と強制力は議論になることが多いですが、強制力と公共の利益とのバランスをとるのは難しいと思いました。
下記の本を参考にしました
『はじめて出会う政治学』
構造改革の向こうに
北山 俊哉 他2名
有斐閣アルマ