とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

ホップズの政治学

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、政治学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


新しい政治学

 


王権と議会の均衡を保つことで、暴政を防ぎ、臣民の自由を守る。 伝統的なイングランド国制論のポイントはそこにあった。

 


ところが、内乱が進行するにつれ、イングランド国制は解体し、およそ秩序の存立自体が問われるようになる。

 


自然状態とは戦争状態 (「万人の万人に対する闘争」)だとするトマス・ホッブズ政治学の時代が到来したのである。

 


とはいえ、ホッブズは内乱を見て急に 『リヴァイアサン』の構想を思い付いたわけではない。

 


内乱開始前からホッブズは『法の原理』を用意しており、その構想を『市民論』、そして 『リヴァイアサン』 へと展開していったのである。

 


ホッブズの脳裏にあったのは、宗教的対立から内乱状態に陥っていた、ヨーロッパ全体の無秩序であった。

 


およそ内乱を克服するために何が必要か。 これこそが彼の考察の主眼となった。

 


しかもその際、ホッブズはこの課題を新たな学問構想によって実現しようとした。 彼は古代ギリシアの歴史家トゥキュディデスの『戦史』(前5世紀)を翻訳しているように、もともと人文主義的な

教養の持ち主であった。

 


他方でホッブズは、ルネ・デカルトらとの交流を通じて、その幾何学的精神の影響を受けることになる。

 


学問において重要なのは、厳密さと明晰さである

ということが彼のモットーとなった。

 


同様に「知は力なり」というフランシス・ベイコン の言葉もまたホップズの新たな学問観につながっていく。

 


学問とは人類の進歩、生活条件の改善に貢献してこそ、はじめて意味をもつ。

 


自然をコントロールする力によって、学問の軽重もはかられるという考え方をホッブズは取り入れた。

 


結果としてホッブズは、古典的なアリストテレス政治学に挑戦することになる。理論と実践の領域を区別したアリストテレスに対し、ホッブズは両者の区別を廃棄し、自然と人間を貫く厳密な学の上に、新しい政治学を基礎づけようとした。

 


「自分の政治学をもって、はじめて政治学が始まる」とは、彼の強い自負を示す言葉にほかならない。

 


ホッブズは自らの学問を、『物体論』、『人間論』、『市民論』として構想した。

 


所与の共同体をいったん原理的に解体した上で、原子化した個人から出発して、秩序の再構築をはかったのである。

 


感想

 


学問とは人類の進歩、生活条件の改善に貢献してこそ、はじめて意味をもつという箇所がおもしろいと思いました。

 


机上の空論では意味がないということだと思います。

 


下記の本を参考にしました

 


『西洋政治思想史』

 宇野 重規著

 有斐閣アルマ

 

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