こんにちは。冨樫純です。
独学で、政治学を学んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
J.S. ミル
トクヴィルと同時代のイギリスを生きたのが、ジョン・スチュアート・ミル である。
トクヴィルとも交流をもったミルは、 『自由論』 において、個人にとっての自由の意味、さらに国家や社会が個人に対して行使する権力の道徳的に正当な限界を考察した。
若き日のミルは、父ジェームズ・ミルに導かれ、
功利主義の若き秀才として出発した。
功利主義とは、ジェレミー・ベンサム によって提唱された倫理学説であり、社会の最大多数の最大幸福を目的とし、あらゆる政策や個人の行為は、この目的に対する貢献によってはかられると主張
するものであった。
しかしながら、ミルはやがてこのような考えに疑問をもつようになる。
とくに20歳のときに精神的危機を経験したミルはウィリアム・ワーズワース らのロマン主義文学に近づき、さらにヴィルヘルム・フォン フンボルトなどのドイツ思想に親しんだ。
その結果、道徳的に重要なことをすべて快楽と苦痛という尺度に還元することに反発するようになったミルは、人間の快楽には質的な区別があり、むしろ個人の多様性や個性こそが価値であると考えるようになった。
このように考えたミルは、『自由論』 において、自由は個人の発展にとって不可欠であると論じた。
すべてを教え導かれ、自ら判断することがない個人の能力は、決して育つことがない。 他者に危害
を加えることがない限り、個人は自らが好むことをなす自由をもっている。
そのような自由を否定する社会に進歩はありえないとミルは論じたのである。
トクヴィルと同じく、個人の自由への脅威は国家だけではないと考えたミルは、「多数者の暴政」を批判し、意見の多様性を認めず、個人を隷属させる社会の同質化圧力を告発した。
また、政治に参加することで、人々が公共の事柄を学ぶという政治教育の効果にも着目しました。
個人の自己陶冶による能力の開花にこそミルは期待したのである。
このような趣旨からミルは選挙権の拡大に積極的であり、とくに女性の選挙権を逸早く主張したことでも知られている。
ミルは、人々の政治参加の教育的効果を強調する一方で、教育を受けた人間にはより多くの票を与えるという複数投票制を提案したり、逆に生活保護者や文字を読めない人間には選挙権を与えないとするなど、エリート主義的な主張も展開して
いる。
感想
『自由論』で有名なミルですが、人々の政治参加の教育的効果を強調する一方で、教育を受けた人間にはより多くの票を与えるという複数投票制を提案したり、逆に生活保護者や文字を読めない人間には選挙権を与えないとするなど、エリート主義的な主張も展開しているという。
以外な感じがしました。
複数投票制は単純におもしろそうだと思いました。
下記の本を参考にしました
『西洋政治思想史』
宇野 重規著
有斐閣アルマ