とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

男女の抑うつの度合い

こんにちは。冨樫純です。

 


「男女の抑うつの度合いの変化」についてのコラムを紹介します。

 


男子より女子の方が、さらに成熟している方がうつになりやすいのは何故か疑問が残りました。

 


アイオワ青年・家族プロジェクトの縦断研究(Ge et al., 2001)において、7年生(13歳)からスタートした6年間の追跡調査を行っている。

 


その結果を見てみよう。

 


男女の抑うつの度合いの変化を示した。

 


女子の方が男子より抑うつ度が高く、その差は7年生から8年生にかけて広がり、とくに9年生以降に大きい。

 


女子の場合に、性的成熟を早く迎える方が平均ないし遅い方より、抑うつ度が高いことがわかる。

 


男子の場合にはそうではない。

 


さらに、早期の成熟と否定的なライフイベントが重なると抑うつ度が増す。

 


性的成熟の程度で分けて見ると、女子について、成熟の度合いが高い方が、いつの学年でも成熟度が平均的ないし低い方と比べて、抑うつ度が高いことを示している。

 


男子でも女子ほどではないが、成熟の度合いが高い方が抑うつ度が高い傾向がある。

 


以上のように、思春期を過ごすことは誰にとっても容易ではないが、とりわけ早熟な女子で日常生活にストレスの与える出来事が多いときにはその抑うつが大きくなることがわかる。

 


そのことは、生物学的要因が決定的だということ

を意味しているわけではない。

 


早期に成熟を迎えることは、十分な教育的配慮がない場合に、とくに女子に対してショックを与えるだろうし、また、成熟が進むにつれて、友達関係が大きく変わり、学業に影響することもあるだろう。

 


下記の本を参考にしました

 


『心理学』新版

   無藤 隆 他2名

   有斐閣