こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。
感想も書きたいと思います。
話題
仕事の要求度とコントロール
職業性ストレスを説明する理論に「仕事の要
求度-コントロール・モデル」があります。
カラセクらは、職業性ストレスを生む条件をこのモデルで捉え、主としてホワイトカラーの職業性ストレスの発生条件を考察しています。
それによると、ストレスの発生に関わる仕事の条件には2つあり、一つは仕事の要求度、もう一つは仕事に対するコントロールの程度です。
まず仕事には要求度の高い仕事と低い仕事があります。
納期が迫ると昼休みも返上し、終電の時間まで残業をしなければならないほど、仕事の要求度が高まります。
そして、こうしたときに限って、ストレスを増幅します。
しかし、差し迫った仕事の締切がないと、「数日間は本当に暇だった。つねづね調子の悪かったパソコンのOSを再インストールし、裏紙を使ってメモ帳を作り、ハサミの持ち手の絆創膏を巻きなおし、机の中の整理までやり終えて、他の社員にひととおり手伝えそうなことを訊いて回って」という要求度の低い日々です。
他方、もう一つ、仕事には自分でコントロールできる程度に違いがあります。
これは職場における地位―経営者か従業員か、管理職か平社員か、また正規か非正規かなど―によって異なります。
さて、カラセクによると、もっとも職業性のストレスが発生しやすいのは、仕事の次元が高く、要求が複雑で切迫しているにもかかわらず、自分で意思決定したり裁量する余地の少ない「高ストレイン」の仕事である、といいます。
つまり、仕事の納期が差し迫っているのに、自分でその仕事の仕方をコントロールできないという状況です。
実際、カラセクが行った研究によれば、仕事の要求度の高さも、コントロールの程度の低さも職業性ストレス反応(消耗感と抑鬱傾向)を高めていました。
また、両者の間には「交互作用」と呼ばれる現象がみられ、要求が高いにもかかわらずコントロールできない「高ストレイン」な状況ほど、とりわけストレスが高まっていました。
感想
説得力のある理論だと思いました。
たしかに、仕事の要求度が高ければ高いほど、仕事の仕方をコントロールできないほど、ストレスがたまりそうです。
下記の本を参考にしました
『ライフイベントの社会学』
片瀬 一男著