こんにちは。冨樫純です。
独学で、社会学を学んでいます。
そこから、個人的に関心のある話題を取り上げて、紹介したいと思います。
感想も書きたいと思います。
話題 コミュニケーション操作によるいじめ
世界的に見ると、男女のいじめには質的な違いがある。
男子が身体的な暴力に偏りやすいのに対して、女子は心理的な暴力に偏りやすい。
この傾向の違いは、おそらくジェンダー規範の影響によるものだろう。
すなわち、男子の評価基準が身体的な強さに置かれやすいのに対して、女子の評価基準は他者からの受容度に置かれやすいからだろう。
ところが、昨今の日本のいじめは、傷害事件にまで発展したごく少数の極端な事例を除けば、たとえ男子によるものであっても、あからさまに身体的な暴力として表れることは少なくなっている。
むしろ、吉田脩二が指摘するように、本人のいないところで隠れて持ち物を隠したり、あるいは本人の存在を無視したりと、いわば静かで密やかな振る舞いとして行なわれることのほうが圧倒的
に多い。
いじめが陰湿化しているといわれるのはそのためである。
このような事実を世界の傾向と重ねあわせて考えてみれば、日本の若者たちは、男女を問わず他者からの受容度に対して敏感になっているといえる。
少なくともコミュニケーションに対する期待値の
高さについては、男子と女子のあいだに差異は見られなくなっている。
だから、男子のいじめについても、その中身には身体的なものが少なくなり、むしろコミュニケーション操作によるものが多くなっているのである。
このことを象徴するように、文科省による新たないじめの定義でも、「身体的・心理的な攻撃」という従来の表現が、「心理的・物理的な攻撃」という表現へと書き換えられている。
ちなみに、博報堂生活総合研究所の原田曜平が、2002年から5年をかけて10代の若者を対象に行なった調査で、好感のもてる同性のタイプを男子に聞いたところ、第1位は「他人に配慮ができる人」であった。
それに対し、嫌いなタイプの第1位は「場の空気が読めない人」であった。
感想
いじめが昔より陰湿になっていると言われますが、本当にそのようです。
マスコミの煽り報道ではないようです。
下記の本を参考にしました
『コミュニケーションの社会学』
長谷 正人 他1名
有斐閣アルマ