とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

どこまでが個人情報か

こんにちは。冨樫純です。

 


「情報公開法・個人情報保護法の成立」についてのコラムを紹介します。

 


個人情報やプライバシーに敏感な現代において、法律でその範囲を決めることには賛成です。

 


1999年、長年の懸案事項であった情報公開法(正式名称は「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」)が、ようやく成立した(施行期日は、政令で 2001年4月1日からと定められた)。

 

 

 

自治体の情報公開条例が1982年の山形県金山町を皮切りに、その後の10年で急速に整備されたのに対して、国レベルでの立法化の歩みは鈍いものであった。

 


しかし、できた法律は、国民主権の理念にのっとり、政府に説明責任があることを明記し(1条)、対象となる文書も自治体の条例の相場よりは拡大されており、行政機関が組織として業務上の必要に基づいて保有しているものはすべて対象になる。

 


また紙の文書にかぎらず、フロッピー、録音テープなど電磁的な情報媒体もすべて対象とされた。

 


その意味では、かなりがんばった内容になっている。

 


これに対して、個人情報保護法の成立は難産だった。

 


2001年の当初案では法律の基本原則である「適正な取得」などが報道機関等へも適用されることになっていたため、メディアから激しい批判を受け、廃案ののち基本原則の規定を削除するなどした新法案が提出され、2003年にようやく成立にこぎつけた(行政個人情報保護法も同時成立)。

 


2005年4月から施行されている。

 


なお、(行政)個人情報保護法の施行から数年の間に、同法の適用めぐる様々な「過剰反応」が指摘されるようになった。

 


具体的には、中学校の同窓会で名簿を作ろうとして、卒業生が母校にクラスメートの当時の住所や電話番号を教えてくれるように頼んだが断られた、同じく卒業アルバムを見せてもらえなかった、などの事例や、2005年4月に起きたJR 西日本の脱線事故で大勢の死傷者が出ている際に、一部の救急病院が家族からの安否確認に当初回答を拒んだケースなどがある。

 


この安否確認の場合などは、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」(個人情報保護法 23条1項2号)に該当すると考え、例外が認められるケースといえる。

 


同様の事例は、2011年3月の東日本大震災でも見られた。

 


下記の本を参考にしました

 


『いちばんやさしい憲法入門 』

  初宿 正典 他2名

  有斐閣アルマ