こんにちは。冨樫純です。
「功績と人格」についてのコラムを紹介します。
社会心理学なところより、ピート・ローズが、実は野球界から永久追放の処分を受けているという事実に驚きました。
野球のアメリカ大リーグ史上、最高の打者の1人として讃えられるのが、ピート・ローズである。
彼の通算安打数4256本を、イチローの日米通算安打数が上回った2016年には、その比較が話題になった。
1シーズン 200安打以上を10年連続で記録したイチローも驚異的だが、仮にそれを20年間続けたとしてもまだ足りないという、気の遠くなるような数字である。
オールスターにも17回選出され、輝かしい経歴をもつ名選手であるそのローズが、実は野球界から永久追放の処分を受けている。
その理由は、常習的に野球賭博に関わっていたことを本人も認めただけでなく、なんと自身が監督を務めるチームの試合にまで賭けていた疑いがもたれたことにある。
人間がなんらかの決定に基づいて行動にでる背景には、対象に関する好き・嫌いの感情や、信念、価値観、そしてそれに基づく意思決定といった心理的状態が介在していると考えられる。
社会心理学では、これを総称して態度(atti-
tude)とよぶ。
上で例にあげたローズも、野球を「愛する気持ち」や、賭博行為のもつ意味と結果についての理解や見通し、それに倫理観などが一緒になって、賭博は悪いという彼の「態度」をもっていたはずである。
ただし、この例からも明らかなように、人間はつねに態度と一貫した行動をとるとは限らない。
むしろわかっていて実行できないという事実に悩むことも多い。
ローズの事例は、一種の依存症と考えられている。態度の影響力をも凌ぐ、その恐ろしさを物語っているといえるだろう。
さて、民主的な社会における大前提は、「個人は主体的に意思決定できる存在だ」という考え方である。
それはつまるところ、態度に基づいた行動の選択
が基本になっていることを意味する。
だから子どものときから、家庭でも学校でも「自分の頭で考えなさい」「自分で決めなさい」と繰り返し強調される。
そして個人は、その選択に対して責任をもつことが求められる。
では、態度に基づいた行動を起こす際の心理過程とは、どのようなものだろうか。
下記の本を参考にしました
『社会心理学』
池田 謙一 他2名