こんにちは。冨樫純です。
「 無意識の行動」についてのコラムを紹介します。
無意識の行動に着目することに、おもしろそうだと思いました。
アイスクリーム屋の店先には何十種類ものアイスクリームが並べられている。
その中から自分の食べたいアイスクリームを選ぶとき、私たちはどうやって決めているのだろうか。
いつもチョコミントを食べると決めている人もいるかもしれないが、「今日はチョコミントが食べたい」と思って注文することもあるだろう。
では、そのときどうして、バニラではなく、チョコミントが食べたいと思ったのだろうか。
「なぜ、そのアイスクリームを選んだのか」そう尋ねられれば、人は「今日はちょっと疲れているから、刺激があったほうがいいと思ってチョコミントを選んだんだ」というように、簡単に答えることができる。
しかし、その回答はその人がそのアイスクリームを選択した本当の理由なのだろうか。
実は、このような選択には非意識的過程 (unconscious process)が大きく影響
している。
非意識的過程とは、私たちが意識することのできない認知過程を指している。
そもそも意識することができない心理過程について研究するということ自体が挑戦的なことであるが、過去 30年ほどの間に自分で気づかないうちに行動を生起させる非意識的過程についての研究はおおいに増え、20数年前に社会心理学者たちが想定していたよりもずっと多くのことが非意識的過程を通して起こっていることが明らかにされつつある。
意識できない心理過程が自動的に行動を導く働きを明らかにしようとする研究は、1990年代後半より急激に進展したものであるが、人間の社会的行動を理解するうえで非常に重要な知見を示しており、そのインパクトは非常に大きい。
この意識できない心理過程を無意識的過程とよぶ場合もあるが、精神分析学用語としての無意識との混同を避けるためにここでは非意識的過程とよぶ。
たとえばフロイトが重要視した無意識とは、単に意識的なアクセスができない無意識の過程ではなく、抑圧された無意識であった。
しかし非意識的過程の研究では、抑圧されたからではなく、そもそも私たちが意識することができない心理過程の働きを検討する。
そして、フロイトが精神分析によって無意識を意識化すると考えたこととは異なり、非意識的過程の研究では基本的にそのような意識化はできないという前提に立ち、さまざまな研究手法を用いることで、非意識的過程のメカニズムを明らかにしようとする。
下記の本を参考にしました
『社会心理学』
池田 謙一 他2名