こんにちは。冨樫純です。
「群集心理」についてのコラムを紹介します。
もっと深掘りしてみたいと思いました。
群集心理の非理性的で無秩序とはいえない実証研究もあるようで、気になります。
2001年7月21日の午後8時半頃。
花火大会の見物を終えて駅に向かう人と大会会場の海岸に向かう人とが入り交じって動けなくなったことから生じたこの事故は、最終的に死者11名、負傷者247名を出す惨事となった。
事故の教訓をふまえて兵庫県警が翌2002年末に整備した『雑踏警備の手引き」は、「雑踏事故」を「群集心理の影響を大きく受けながら、雑踏によって発生する人身事故、物的破損事故、参集者間の紛争等をいう」(14頁)と定義づけている。
さらに「群集心理」については、「単なる人の集まりであって各人の役割もないことから組織性がなく、その匿名性のゆえに理性が低下しやすく、異常な雰囲気に巻き込まれると、さらに無責任性、無批判性や暗示にかかりやすくなるため、混乱と無秩序が重なり合って不測の事故が発生し、また予測以上の『規模』に拡大する結果ともなる」(17 頁)との記述がみられる。
群集心理に対するこのような理解は、ル・ボン(Le Bon, 1895)をはじめとする古典的な集合行動研究のモデルを踏襲したものである。
実際、一般の人々が群集事故のニュースなどを耳にしたときにいだくイメージも、これと似通った
ものであると思われる。
群集事故を報道するマスメディアの記事には頻繁に「パニック」という語が登場しており、たとえば1993 年から95年の『朝日新聞』紙上にはこの語を含んだ記事が326回(1週間あたり約2回)も掲載されたという(釘原,2001)。
しかし、実証研究の成果は、群集(crowd)が必ずしもこれらのイメージのように非理性的で無秩序とはいえないことを示唆している。
下記の本を参考にしました
『社会心理学』
池田 謙一 他2名