とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

ジェンダー・ステレオタイプとは

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル ジェンダーステレオタイプ

 


ある社会に生まれた人間は、いろんな可能性をもちつつも、その社会で一人前の成員とみなされるために、周囲からさまざまな働きかけをされて育っていく。

 


そのような過程を「社会化」と呼ぶのであるが、男性と女性では同じ内容の社会化をされるわけではない。

 


男性として、あるいは女性として社会化されていくことは、各々のジェンダーステレオタイプ―男性と女性の各々に典型的であると一般的に考えられている特徴 を植えつけられていくことであるといってよいであろう。

 


それがかなり早い時期から始まっていることは、キャロル・シービーらによる「ベビーX」研究からもうかがい知ることができる。

 


それは、被験者の大人たち(男女を含む)に生後3ヶ月の子どもと玩具のある部屋で3分間かかわってもらうというものであるが、3つの条件が与えられて比較がなされた。

 


まず第1群では、子どもは女児であると伝え、次の群には男児と伝え、残る第3群には、子どものジェンダーに関して情報を与えなかった。

 


最初のグループは、その場にある玩具のうち、人形(女性的とされている玩具)を用いてかかわろうとし、次のグループはプラスティック製の輪(ジェンダーが中性の玩具)を用いることが多かった。

 


最後のグループでは、女性の被験者は自分なりに子どものジェンダーを推測し、それに従ってかかわっていたが、男性の被験者はかかわりをもとうとしなかったという結果であった。

 


以上のことから、①同一の幼児に対しながら、ジェンダーがどちらであるとされているかにより反応が違うこと、②大人たちが、すでにその社会で男児・女児向けとステレオタイプ化された図式を身につけてしまっており、その図式に従って反応すること、③子育て自体が女性の役割だと社会的に認識されていることによって、男性の場合、幼児にいかに接するべきかという知識・態度が曖昧であることが、明らかになった。

 


大人からの働きかけが、ジエンダーにふさわしいとされている行動様式、考え方、感じ方などを子どものなかに形成していくことの出発点が、ここに見られるであろう。

 


もちろん、ジェンダーステレオタイプを植えつけていくのは、大人たちだけではなく、幼児期に与えられる絵本などのメディアも重要な機能を果たす。

 


たとえば、アメリカで賞を得た絵本のなかでジェンダーがどのようにあつかわれているかを調べたものによると、男性の登場人物が2対1の割合で多い。

 


そして、女性を主人公にして描いている作品は少ないうえに、もしも主人公であれば、それは男性主人公とほぼ同じ描写になりがちであり、脇役であれば、受身で依存的に描かれているということである。

 


童話の読み聞かせでは、どうであろうか。

 


ジュディ・デローチらがジェンダーのはっきりしないクマを登場させる絵本をつくって調べたものによれば、母親はクマの62%を男性とし、女性だとしていたのは16%のみで、残りはジェンダーの区別はなされなかったという。

 


ここにも、主人公は男性という見方が深く根づいていることを見て取ることができる。

 


感想

 


無意識のうちに、ジェンダーステレオタイプは植え付けられているような気がします。

 


下記の本を参考にしました 

 


ジェンダーで学ぶ社会学』  

 伊藤公雄 牟田和恵編著

 世界思想社

 

flier(フライヤー)