こんにちは。冨樫純です。
「自己鏡映像認知」についてのコラムを紹介します。
赤ちゃんを鏡に映す行為は、子を持つ親なら一度はやったことがあると思いますが、心理実験をしていたようです。
子どもは、およそ1歳までに、自分の名前を呼ばれると呼ばれた方向にふり向く。
このような行動は、子どもが自分の名前と他人の名前とを区別して聞き取っていること、さらに自分と自分の名前とのあいだに結合が形成されていることを意味している。
この場合、子どもは名前が自分に対する呼びかけの信号であることを理解していると考えられる。
このような行動の変化は、子どもが、他人と区別された自己についての初歩的な概念を形成しつつある証拠と見てよいだろう。
鏡に映る自分の映像に対して子どもが示す反応も、自己認知の発達の目印として多くの人々の関心を集め、研究されている。
一般に子どもは、生後数ヵ月頃から鏡に興味をもちはじめ、5・6 ヵ月になると裏側をのぞいたり手を回したりして探索的行動をとり、鏡映像をあたかも実在するものとして扱う。
そしておよそ 2歳以降、自己鏡映像認知が成立する。
自己鏡映像認知の成立を確かめる具体的なテストとして、額や鼻に子どもに気づかれないようにシールを貼るか無臭の口紅などで色を途り、鏡を見たときに自分の額や鼻に手を触れるか取り去ろうとするかどうかを見る。
また、子ども自身の鏡映像を「誰?」 とたずね、自分の名前を言えるかどうかを見る。
チンパンジーも最初は、鏡映像を他者とみなすような攻撃行動や探索的行動をとる。
やがて前述のような方法で、チンパンジーの額に気づかれないように色を塗るなどのテストをすると、鏡を見て自分の額を触れるなどの反応をするようになる。
下記の本を参考にしました
『心理学』第5版補訂版
鹿取 廣人 他2名