こんにちは。冨樫純です。
「ネズミの性行動」についてのコラムを紹介します。
人間と比べてみると、当たり前かも知れませんが、本能的であるところは共通していると感じます。
ネズミの性行動 (求愛行動、 交尾行動ばかりでなく、母性行動、育児行動も含む)は、一種の本能行動といってよい。
成熟したメスは、発情期には活動性が高まるが、その時期に身体の後部に触刺激が与えられると、オスの交尾行動を受け容れる姿勢をとる。
また、メスは出産の1・2日前になると、葉くずや紙きれなどを集めて、巣を作りはじめる。
仔が生まれると、きれいに汚物をぬぐって、羊膜を取り去る。そして、胎盤を食べてから(それまでは仔に注意を払わない)、仔ネズミを巣に集めて授乳しやすいように巣に座り込む。
こうした一連の養育行動は、とくに他のネズミから教わる必要がない。
ネズミに迷路の学習を行なわせると成績に個体差が生じる。
一般に、迷路学習の成績がよいオスは、交尾行動の能率、頻度が高く、性的活動が活発である。
一方、メスの交尾行動は、迷路学習の成績とは関係がない。
しかし、前述の養育行動の効率とのあいだに相関がある。
また大脳皮質を除去すると、ネズミの学習能力や知能が低下するが、オスでは交尾行動、メスでは養育行動の効率が低下する。
本能的行動を完了的位相と予備的位相とに区分すると、オスネズミの交尾行動やメスネズミの養育行動は予備的位相のウェイトが大きく、メスネズミの交尾行動は完了的位相のウェイトが大きいと言えるだろう。
下記の本を参考にしました
『心理学』第5版補訂版
鹿取 廣人 他2名