こんにちは。冨樫純です。
「自己と社会心理学」 についてのコラムを紹介します。
「こうしたい」と思っているのにできないことが誰しもありますが、それも研究対象になることがあるという、おろしろそうだと思いました。
「私とはどのような存在なのか」
「私を私たらしめるものは何か」
このような問いは私たち1人ひとりが生涯自分に問い続けるものかもしれない。
それと同様に社会心理学においても、これらの問いの答えを探る研究が積み重ねられてきた。
社会心理学における「自己」の研究の中から知識構造としての自己、自己評価維持の仕組み、自己制御、他者に見せる自己と見られる自己に関する研究がある。
社会心理学における自己の研究は、1970年代の後半に、「自己」を「自分に関する知識の総体」であるととらえるようになって、大きく変貌した。
私たちが意識する、しないにかかわらず、自分についての知識や記憶は私たちの思考や行動に大きく影響する。
私たちは自分の心の中で生じていること(たとえば知識や目標の活性化)を直接知ることはできないが、それらは私たちの思考や行動を導いているのである。
しかし、自己は知識を蓄えたただの情報処理の装置ではなく、そのようなモデルでは説明できない能動的な働きがある。
たとえば、自己には自分自身の評価を高く維持しようとする動機の機能があり、自分自身や周囲の人に対する評価や認識、ひいては自分自身の行動にも大きな影響を与えている。
さらに、自己には自分をコントロール(制御)して目標を達成しようとする実行機能も備わっている。
「こうしたい」と思っているのにできないこともしばしばあるが、自己制御の研究では、そのような失敗がなぜ生じるのかをも含めた検討がなされている。
また、いうまでもなく私たちは社会的存在であり、他者との関係なしに私たちの自己も成立しない。
他者に見られることの問題、そして他者にどう見られていると推測するのか、「自己」として研究されているテーマは、このようにとても幅広い。
下記の本を参考にしました
『社会心理学』
池田 謙一 他2名