とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

景気と政治

こんにちは。冨樫純です。


「景気と政治」についてのコラムを紹介します。

 

たしかに、今もそうですが、景気が悪いのを政治のせいにしがちだと思いました。


景気が悪いと人々は、「政治が悪い」 と思います。


逆に景気がよければ、「政治がよいから」と思う人はあまりいないにせよ、少なくとも「政治は間違っていない」と思うようです。


金融恐慌のあとに出された銀行法と、昭和恐慌の時に出された重要産業林制はによって、財閥が日本の経済界をいわば独占するという形になりました。


このことが日本が戦争に踏み出す遠因となったということは、現在の歴史学においては通説となっています。


その時、国民は戦争に突入する危険性を察知しなかったのでしょうか。


実際、その危険性を察知していた人たちは少数派といえるでしょう。


なぜか。それは、当時の日本は空前の好景気だったからです。


日本がファシズムに進む大きなきっかけとなった五一五事件や国際連盟の脱退などの事件の直後には、決まって景気が上向きになるのです。


それで、人々の政治を見る眼が甘くなってしまったようなのです。

 

また、太平洋戦争に突入した際、日本はあの戦争を 「大東亜戦争」 と言いましたね。


その時のスローガンが「大東亜共栄園」なのですが、これは「日本を中心として欧米の侵略のない平和で強いアジアを作ろう」 という内容を説いたものです。


しかし実際は、日本はアジアの人たちを救うどころか、アジアの人たちに今もなお残る苦しみを与えました。


でも、その当時、「アジアの人たちを救うために戦争をしているんだ」 という義勇心から戦争に協力していた人たちが多かったことも事実です。


ともあれ、ここでお話ししたかったのは、「歴史を見る眼」 なのです。


歴史というものは、過去の人たちが作ったものです。 現代人の眼から見ると理解不能なものがたくさんあります。


だから、現代人の立場から 「過去の人たちは馬鹿な選択をしたものだ」と一元的な見方をすると、歴史はわからなくなってしまいます。


過去の人たちの過ちを擁護するつもりはありません。しかし、過去の人たちの立場に立って歴史を考えることによって、「なぜ、ここでこういうことがおこったのか」という、事件の本質が浮かび上がってくるわけです。


現在でも人間はいろいろな過ちをおかしています。 たとえば、金融界の不良化、政治腐敗……。


それらを非難するだけで、そこから得る教訓がなければ、また同じ過ちを繰り返すでしょう。


「歴史は繰り返す」 という言葉がありますが、無理に悪いことを繰り返す必要はないのです。


だから、過去の物事を考える時に、当時の人々の立場に立って考える習慣をつけていけば、今後同じ過ちを繰り返さないためには、どのような行動をとればよいかが見えてくると思います。


下記の本を参考にしました

 

『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』【改訂版】

  金谷 俊一郎

  東進ブックス 大学受験 名人の授業