こんにちは。冨樫純です。
「環境リスク」についてのコラムを紹介します。
今回のコロナウイルスの問題も、私的なリスク管理と公的なリスク管理とのベスト・ミックスが望ましいと思いました。
一般に環境リスクとは、環境汚染がもたらす経済社会状況に伴いよくない事象が起こる確率と、よくない事象の重大さの組合せを意味する。
原発事故のように、よくない事象が起こる確率が低くともよくない事象の重大さがきわめて深刻なケースの環境リスクは高い。
よくない事象が起こる確率を減少させようとする個人の事前の努力は自己防衛(self-protection)、よくない事象の重大さを減少させようとする個人の事前の努力は自己保険(self-insurance)といわれる。
自己防衛と自己保険によってリスクを減少させることは、私的なリスク管理である。
これに対し、個人ではなく社会がよくない事象の起こる確率やよくない事象の重大さを減少させようとする事前の努力は、集合的防衛と理解できる。
集合的防衛と集合的保険によってリスクを減少させることが、公的なリスク管理である。
成人病のリスクのように私的なリスク管理でかなりの程度対応できるリスクに対して、環境リスクは私的なリスク管理では対処できないリスクが多いので、公的なリスク管理が求められる。
ただし、効率の価値判断からすれば、私的なリスク管理であれ、公的なリスク管理であれ、リスク管理の限界費用がリスク管理から得られる限界便益と一致するようなリスク管理が望ましくなる。
また、私的なリスク管理と公的なリスク管理とのベスト・ミックスに関する分析も重要になる。
下記の本を参考にしました。