こんにちは。冨樫純です。
「牧畜のもたらす環境破壊」についてのコラムを紹介します。
牧畜が環境破壊をもたらしているという側面があることに驚きました。
紀元前 7000年頃、メソポタミアや小アジア地域で、農耕とともに牧畜が発生した。
この頃ヤギ、ヒッジ、ウシ、ラクダなど、中型、大型の晴乳類の飼育が始まったのである。
集団で行動する中型、大型の晴乳類を飼いならすことはそれほど容易なことではなく、一定の技術が必要である。
とくに、去勢技術と搾乳技術が重要な技術である。
集団行動する晴乳類の場合、自然の状態のままだと、発情した雌を雄が奪い合って混乱が起きる。
雄については、強い雄を繁殖用に少数残しておくだけでよい。
そこで去勢技術が必要となる。去勢すると雄はおとなしくなり、集団行動になじむし、また肉も柔らかくなる。
雌からミルクをとる技術。
すなわち搾乳技術が重要なことはいうまでもない。
このような牧畜技術は、当時は大変な新技術だったのである。この新技術によって家畜化された動物がもたらした恵みは大きかったが、環境の負荷もまた大きかった。
ヤキやヒツジは、根こそぎ植物を食べるので、植生に大きな影響を与えた。
とりわけ半乾燥地域での牧畜は、植生に破壊的な影響を与えたといわれている。
プリニウスは『博物誌』のなかで次のようにいっている。
「ヤギが木を噛むとその木は枯れる。彼らがオリーヴの木を祇めただけでもその木は実がならなくなる」
下記の本を参考にしました。