こんにちは。冨樫純です。
「女性皇帝 則天武后」についてのコラムを紹介します。
現代でも、この時代でも、女性が特に、政治の世界で上の地位に就くのは、困難なんだと改めて感じました。
「則天」とは広大無辺の天空をわがものにした絶大なる存在という意味である。
そもそも則天武后は中国の正史である「旧唐書」、「新唐書」などでは権力欲に満ちた「悪女」とされている。
事実、権力を獲得するために陰謀を何度も仕掛け、密告制度を多用して政敵を殺害·処刑流刑にするばかりでなく、夫の高宗の一族はもとより、身内である実子や姉とその息子などにもためらうことなく手をかけた。
それでは本当に悪女だったのだろうか。
彼女はいわばゼロから出発して、おのれの才覚と知力だけで権力の頂点にたった人間である。
男性でも皇帝になることは難しいのに女性蔑視の強い当時にあって、それを実現したことは驚嘆に値する。
その過程で生じた殺人は世界の歴史では一般的で、則天武后だけのものではない。
しかも古い家柄の有力貴族官僚を排除し、冷静な知力を持つ秋仁傑、不屈の闇闘志をもつ競元忠、勇気のある宋環など、とくに寒門(貧しい家柄)階層の有能な人材を積極的に登用し、一つの転機をつくりだした。
則天武后は、人物を見抜く眼識を備えていたのである。
下記の本を参考にしました。
『新 もういちど読む 山川世界史 』
「世界の歴史」編集委員会 (編集)
山川出版社