こんにちは。冨樫純です。
「生活保護の被保護者はクーラーをもってはいけないか」に関するコラムを紹介します。
今やクーラーは生活必需品だと思うので、持っていいと思います。
1994年、クーラーを取り外させたため、室内の温度が40度を超え、79歳の被保護者が脱水症状を起こして入院するという事件が起き、生活保護の運用の硬直性が批判された。
最低生活の内容としてどんな資産なら保有が認められるか、逆にどんな資産は処分して生活費に活用しなければならないかは難しい問題だ。
生活保護には、最低生活維持の水準を下回っても上回ってもいけないという、基準および程度の原則があるからだ。
保有を認めるかどうかは、その地域の一般世帯とのバランスも考慮して判断される。
1つの判断基準として、クーラーなどの生活用品については、その地域の全世帯の7割程度がもっているかどうかが用いられる。
この事例でも、この基準に照らして保有が認められないとの判断をしたわけだ。
しかし、一方で、生活保護には、一人ひとりの必要に応じて対応しなければならないという、必要即応の原則もある。
事件の後、寝たきり老人などのいる世帯でその病状などからクーラーを利用している場合は、その地域の普及率にかかわらず保有を認めてよいと確認する通知が厚生省から出された。
下記の本を参考にしました。
『はじめての社会保障 』福祉を学ぶ人へ
椋野美智子・田中耕太郎著 有斐閣アルマ