こんばんは。冨樫純です。
今日のテーマは「政治的無関心」についてです。
その背景を説明します。4つあります。
①「情報選択コスト」がかかりすぎる
現代社会のように情報が氾濫していると、全情報のなかから必要な情報を取捨選択することが非常に困難になってくる。
また、情報が溢れているわりには政治的な意思決定をするための情報は多いとはいえない。 たとえば、各政党が提示している細かい政策案を知るためには、さまざまなメディアに接触する必要がある。
したがって、政治的意思決定をするための「情報収集コスト」も大きいのである。
これに加えて、現代のように社会が複雑化してくると、情報を収集したとしても、それを理解するのが困難なことがある。
原発問題などはこの典型であろう。この種の問題は「情報理解コスト」が大きいのである。
②人間関係への悪影響
政治活動に従事することが人間関係に悪影響をもたらし、将来の成功の妨げになるという不安を意味する。
よく「宗教と政治の話はするな」というが、この辺の事情を如実に物語っている。
③効果性のなさ
個人の力で政治を動かすのは不可能であるといった認識を表す。
「私の1票は大勢に何の影響も与えない」という無力感は、この効果性のなさの認識である。
政治が提供するサービスの多くは、活動している人していない人を問わず提供されるからである。
コストは払わないが分け前だけ得る人たちをフリーライダーというが、フリーライダーになれるということも政治行動意欲を減退させる要因となっている。
下記の本を参考にしました。
『ソシオロジー事始め』
中野 秀一郎 (編集)
有斐閣ブックス