とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

地域社会とリスク

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 

 


地域社会とリスク

 


外国系住民の急増など社会の急激な変化は犯罪の変化をもたらしている。

 


これにともなって、犯罪の検挙率が急速に低下している。

 


かつて地域社会には地域の目があった。

 


このことが犯罪を抑制するとともに、犯罪の検挙率を高いものとしていた。

 


しかし現在、地域社会のあり方が大きく変わってきている。

 


日本の制度は文化的な同質性を前提に緻密なものとなっている。

 


しかしこのことは、文化を異にする人たちに大きな負担を強いることともなる。

 


たとえば日本の制度はゴミ収集ひとつとっても恐ろしく煩雑であり、処理に莫大な費用をかけている。

 


しかしそれでいて、産業廃棄物にともなうトラブルは、数十年来日常化している。

 


日本の制度は緻密なものであるとともに、制度外に多く課題を残したままである。

 


判決に時間のかかる司法制度をはじめさまざまな欠陥がある。

 


しかしこれを是正する意欲は高くない。

 


2005年には建築の偽装が問題となったが、建築基準法違反や駐車違反は日常化している。

 


また、日本は2005年に人口減少という歴史的な転換点を迎えた。 1899年の統計開始以来、データのない戦中戦後を除いて、初めてのことである。

 


これまでの人口増加はさまざまな問題を引き起こすこととなったが、その反面でさまざまな問題の解決を容易にしてきた。

 


人口減少も同様にこれまでの問題の解決を容易

にする面があることが予想されるが、その一方でさまざまな問題を新たに引き起こすことともなるだろう。

 


しかし日本の人口の減少は日本社会の人口減を意味するわけではない。 多くの外国人が豊かな日本をめざしている。 日本でも逆に一部ではあるが、老後、タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシアなど外国でロングステイする人が増えている。 

 


人口減少は、団塊の世代の高齢化が進む今後十数年で急速に進行すると予測されている。

 


人口減少自体はけっしてリスクではない。

 


人口増加が前提となっている制度的機構を自覚できない思考がリスクなのである。

 


感想

 


「人口増加が前提となっている制度的機構を自覚できない思考がリスクなのである」という最後の箇所が印象的でした。

 


前提が崩れて、右往左往しているのが現状だと感じます。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

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