とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

自由主義の多面的な顔

こんにちは。冨樫純です。

 


前に本を紹介するブログを書きましたが、その本には、他にもおもしろいと思う箇所があったので、紹介します。

 


ちなみに、その本とは、『現代政治学

加茂利男・大西仁・石田徹・伊藤恭彦著

有斐閣アルマです。

 


政治の議論の際、「自由主義」という言葉が出てきたら、役立つと思います。

 


自由主義は、個人の自律性、自由意思を最大限に尊重しようとする思想であるが、歴史的な表れにおいては多面的な顔をもつ。

 


近代市民革命期から19世紀にかけて開花していった自由主義は、近代自由主義と呼ばれる。

これを担ったのは市民階級、つまり資本家階級であり、それゆえに、政府による市場介入を否定する自由放任主義の主張が前面に出た。

ところが、自由放任主義が恐慌や不平等といった経済·社会問題を深刻化させるにつれ、20世紀に入ると、政府による市場介入や所得再分配を是認する新しい自由主義の考えが登場した。これは、近代自由主義との対比で現代自由主義と呼ばれたりする。

 

1970年代の経済危機以降に登場し、戦後における福祉国家を批判しつつ「小さな政府」の実現を主張した思想は、新自由主義と呼ばれた。