とがブログ

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首相公選制のメリット、デメリット

 

こんばんは。冨樫純です。

 

日本では、自民党の長期政権が続いています。

野党に政権を担えるだけの力がないということが、背景にあると思います。

でも、アメリカの大統領のように、直接国民が首相を選ぶと、どうなるでしょう。


そこで、首相公選論のメリット、デメリットについて調べてみました。


首相公選論のメリットは2つです。


①首相の民主的正統性


現在の国会が首相を選ぶ間接的な制度では、与党内での党首選挙が事実上の首相選挙になりますが、その党首を選ぶプロセスが派閥同士の利害や政治状況によって、不透明かつ国民の意思とはかけ離れたところで行われてきたために、国民の政治への不満を増加させ政治への信頼を失わせてきた、というものです。


②首相及び内閣の指導力の強化


首相を選ぶプロセスが、衆議院議員選挙に加えて、党首選挙にもあることから、首相の任期が短くなりやすくなり、首相が指導力を発揮できなくなっていること、首相の選出基盤が国民による選挙だけでなく与党内にも依存していることにより、国民が望み首相が実行したいと掲げた政策が与党内の政治力学により、反故にされてしまうといったことが原因だと指摘されています。特に、このような首相及び内閣全体の力の弱さが90年代以降の日本のドラスティックな改革を妨げ、政治経済の停滞を招いてきたという議論もあります。

 

デメリットは3つです。


①権力が集中することによる独裁制の危険


独裁的な政治体制の下では体制批判は許されず、個人の自由は著しく制限される。民衆の意思表示は抑圧され、反対派は何らかの形で排除される。

また、為政者の権力行使に抑制が効かずに、恣意的な国家運営に堕すこともあり、国家としての方向性を失って行く場合も多い。


②政治停滞の増加


否定側として、まず可能な議論は政治的な停滞がさらに増えるということでしょう。

すでにねじれ国会による政治停滞が指摘されていますが、現状の制度では、首相の指名が衆議院の指名によっているため、衆議院の多数党と首相の政党は一致するのに対して、プラン後はこのような一致も確保されず内閣・衆議院参議院での政党が食い違う状況が生じえます。


衆愚政治が起きる


首相が人気投票で選ばれることにより、本来は首相の器ではない人物がなりやすくなってしまうことがあげられるでしょう。

現状でも首相の器ではないような人物が首相についているという指摘もできますが、特に、首相公選制では一度首相になったら4年の任期が保証されているわけですから、首相の器でない人物が首相になれば、その被害はさらに大きくなる可能性があります。

また、首相候補が国民に迎合するために、単なる人気取りのための政策や短期的な財政政策を掲げてしまい、結果として本当に国民に必要な政策は導入されにくくなる可能性もあります。

 

下記のサイトを参考にしました。

https://waseda.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=16000&item_no=1&attribute_id=162&file_no=1

http://nade.jp/files/uploads/2013%20高校論題解説__2.pdf