とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

首相公選制とは

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、憲法を学んでいます

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル  

 


首相公選制って何?

 


B: 実はね、以前に、1962年のことだけど、中曾根康弘さん(当時衆議院議員) が 「首相公選論」を提唱したことがあるんだ。

 


彼の主張は、簡単にいうとね、議院内閣制を廃止して、国会と政府、議員と大臣との直接の結びつきを切って、首相や副首相は国会議員からではなくて国民が直接に投票で決め、今のように短命政権で政治が不安定にならないように、ちゃんと4年の任期を与え、2回は首相になれるが、三選はできないようにして政治が停滞しないようにし、また、国民は首相や副首相をリコール (罷免) できるようにしよう、というような案だったんだ。

 


当時は、全国各地の主要道路汽車の窓からよくみえる所とかに、「首相は国民投票で選ぼう」と書かれた標柱が立てられたり、それどころか、ある週刊誌などは、「首相と恋人は、自分で選ぼう」 というような見出しまでつけて、この運動を紹介したりしたことさえあったそうだよ。

 


A : ヘェー、そんなことがあったなんて、全然知らなかったわ。

 


わたしたちの生まれる前の話だものね。

 


それで、その議論はどうなってしまったの? 立ち消えになっちゃったわけ?

 


B : うん、その後2年ほどのあいだは、相当活発な議論になったんだけど、当時は学者もあまり注目しなかったようだし、 むしろ批判的だったようなんだ。

 


だって、議院内閣制をやめて、その代わりに、アメリカの大統領制みたいな制度を取り入れることになるっていうんだから、 話はそう簡単にはいかないよ。

 


A: その 「首相公選論」 とかいう主張からすると、 要するに、首相はアメリカの大統領みたいになるってわけ?

 


B: うん、厳密にいえばちょっと違うところもあるんだけど、大筋のところは似ていると思うよ。

 


たとえば、国民が選ぶ首相・副首相の任期を4年にし、三選を禁止している点とか、 内閣が衆議院を解散する権限がなくなる点とか、内閣自体が国会に議案を提出する権限を認めない点、さらに、首相は国民の中から適任者を閣僚に選ぶことができ、国会議員から選ばれた閣僚は国会議員の職を辞めなくてはならない (兼職禁止) という点こうした点では、両者にそれほど大きな違いはないと思うよ。

 


ただ、アメリカの場合には、直接に国民投票で大統領を選ぶわけではないし統領や閣僚が議会にいつでも出てきて、 法律案の審議に加わるなんていうことはないなど、いくつかの点で違うところもあるから、いちがいに両者を同じというわけにはいかないけどね。

 


A: それで、どうしてそういう 「首相公選制」というのを日本に導入しちゃいけないっていうの。 国民に直結した首相って、実にいいじゃない?

 


現に、知事とか市長とかだったら、今だって住民が直接に選挙しているんだから(憲法93条2項)、首相だって、 国が直接に選ぶ制度が悪いとは思えないけど・・・・・・。

 


感想

 


首相公選論は最近の話題だと思っていました。

 


中曽根さんがすでに提唱していたことに驚きました。

 


下記の本を参考にしました

 


『いちばんやさしい 憲法入門』

 初宿 正典 他2名

 有斐閣アルマ

 

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