とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

「下流」という新たな階層集団の出現を見ることができ、良いことなのかどうなのか、考えさせられます。

おはようございます。冨樫純です。

本を紹介します。

 

①この本との出会い


単純にベストセラーなので、手に取りました。

また、「下流」という言葉も気になりました。

所得が低いということだろうかと。


②こんな本です。


下流社会

新たな階層集団の出現

三浦展

光文社新書

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下流」とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いのである。その結果として所得が上がらず、未婚のままである確率も高い。

そして彼らの中には、だらだら歩き、だらだら生きている者も少なくない。その方が楽だからだ。(「はじめに」より)


下流社会」とは具体的にどんな社会で、若い世代の価値観、生活、消費は今どう変わりつつあるのか。マーケティング·アナリストである著者が豊富なデータを元に書き上げた、階層問題における初の消費社会論。(帯部分より)


ぼくも「下流」に属しているのかもな

と思いました。

人生への意欲が比較的低いという点です。


③こんな言葉が響きました。


女性の分類


(1)お嫁系

 

お嫁系志向の女性がその人生の理想を全うする可能性は従来よりも低下している。

しかし、億万長者とは言わないが、できれば年収700万円以上の男性が良いと考える女性は多い。

しかしそういう男性は限られているので、男性

争奪戦が起こる。

その戦いに勝つには、容姿がよいか、性格がよいか、家柄がよいか、頭がよい必要がある。

そのいずれも十分に持たない女性は、年収の低い男性で我慢するか、それがいやなら独身生

活を長期化させて、しばしば「干物女」的OL生活を続けることになる。


(2)ミリオネーゼ系

 

雇用機会均等法の施行以後、学力が高く、職業志向の強い女性、主に四年制大学を卒業した女性が企業の中で総合職キャリアウーマンとなり男性と同じ賃金を得るようになった。

それらの女性は今は30代から40代となり、1000万円以上の年収を得る人もいる。

それがミリオネーゼである。


(3)かまやつ女

 

四年制大学で経済学を学んでキャリアウーマンになるというタイプではないが、手に職をつけて働きたいと考えているタイプがいる。

学歴的には専門学校が多く、職業的には、美容師、トリマー、菓子職人、デザイナー、ミュージシャンなどを目指すタイプである。

といっても、大きな向上心、上昇志向はない。

自分に合う、自分らしい仕事を求める。

人生に対して計画性、具体的な将来展望が弱い。

結婚して子供を持つことは望んでいるが、専業主婦志向はない。


(4)ギャル系

 

ギャル系という呼び方も外見からのネーミングだが、しかしこのギャル系は、価値観、人生観にも特徴がある。

学歴は高卒、高校中退ないし専門学校卒が主だ。学校で勉強に挫折したり、就職しなかったり、してもすぐ辞めることが多い。

よって、現在の職業はかなりの確率でフリーター。

職種はサービス系、販売系、福祉系、保育系などが多く、しばしば性風俗系職業にも流れがちである。

早婚、専業主婦、子持ち志向であるが、人生に対する計画性、将来予測能力は弱い。

大都市圏郊外、地方郊外に多く在住。


(5)普通のOL系

 

以上の4類型は、比較的際立ったわかりやすい例であるが、現実にはこの4類型のどれにも属さない女性たちがいる。

専業主婦志向ではあるが、裕福な男性の争奪戦に敗れて(あるいは早々に戦線離脱して)今は未婚であり、だからといってミリオネーゼのように仕事に生き甲斐を見いだす意欲も能力も不足している。

もちろんギャルになるにはそこそこ知性も学歴も高く、美容師やアーチストになるほどの美的センスや自己表現欲求はない。

 

④まとめ


下流」とは、単に所得が低いということではなく、人生への意欲が低いのです。

その方が楽だからです。


⑤この本が気になった方への3冊はこちら。


『第四の消費』

   つながりを生み出す社会へ

    三浦展

    朝日新書


下流志向』

  学ばない子どもたち働かない若者たち

  内田樹

  講談社文庫


格差社会

   何が問題なのか

   橘木俊詔

   岩波新書


興味を持ってくれた方はいるでしょうか?

興味を持った方は、是非読んでみてください。