①この本との出会い
暗いニュースなどを見ていると、漠然とですが、社会を変えるにはどうすればいいか、ときどき考えることがありました。そんな時、この本に出会いました。
②こんな本です。
『社会を変えるには』
小熊英二著
第1章で、日本社会の現状をつかみます。その中で、2011年に社会運動のテーマとして浮上した原発というものが、日本社会でどういう位置にあるかを考えます。
第2章では、社会の変化につれて、社会運動がどう変わってきたかを述べます。
第3章では、それをふまえて、戦後日本の社会運動の歴史を描き、現代を位置づけます。
第4章から第6章は、そもそも民主主義とはなにか、代表を選ぶとはどういうことなのか、それがどう行き詰まっているのか、を考えます。
(本文より引用)
選挙で投票することが社会を変えることだと思っていましたが、この本を読むそれだけではないと気づかされます。
③こんな言葉が響きました。
議会で多数をとることが「社会を変える」ことだ、という人がいます。日経平均株価や会社の業績を上げることが「社会を変えること」だ、
という人もいます。永田町や霞ヶ関の人脈が変わることが「社会を変えること」だという人も、政界や新聞の政治部には多そうです。
職場で昇進したり、ネット上で評判になったりすることが、「社会を変える」ととだという人もいるでしょう。
こう見てくると、「社会を変えること」というのは、所属している「われわれ」によって違う、ということがわかります。
逆にいうと、現代では「われわれ」がばらばらになって、島宇宙のように乱立しているので、これを変えれば社会が変わる、というものがなかなか見つかりません。
王が社会を代表している、という観念をみんなが共有している社会では、王を替えるか、倒すかすれば「社会を変える」ことになりました。議会の政党配置が社会を代表している、という観念が共有されていた時代は、議会で多数派をとることが社会を変えることでした。
現代で、それにあたるものはないと言ってもいいかもしれません。
しかし、現代の誰しもが共有している問題意識があります。それは、「誰もが『自由』になってきた」「誰も自分の言うことを聞いてくれなくなってきた」「自分はないがしろにされている」という感覚です。これは首相であろうと、高級官僚であろうと、非正規雇用労働者であろうと、おそらく共有されています。それを変えれば、誰にとっても「社会を変えることになる、とは言えないでしょうか。
(本文より引用)
④まとめ
選挙で投票することや政治的活動をすることが、社会を変えることだと思っていましたが、この本を読むとそれだけではないと気づかされます。
⑤この本が気になった方への3冊はこちら
『多数決を疑う』
社会的選択理論とは何か
坂井豊貴著
『格差と貧困のないデンマーク』
世界一幸福な国の人づくり
千葉忠夫著
『文化人類学の思考法』
松村圭一郎他2名著
興味を持ってくれた方はいるでしょうか?
興味を持った方は、是非読んでみてください。