とがブログ

本の紹介と、ぼくの興味があるテーマについて書きます。

男らしさとは

こんにちは。冨樫純です。

 


独学で、社会学を学んでいます。

 


そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。

 


タイトル 男性学の視点から考える

 


この章では主に女性の社会的役割や位置に焦点をあてて日

本の近現代社会を考察したが,

 


男性の社会的役割や位置に焦点をあてて考察したら、何が見えてくるだろうか。

 


1990年代には日本でも、男性の社会問題を解明することを目的とする男性学が創設された。

 


これまでほとんどすべての時代において、男性たちは自分たちの視点で社会を運営してきたのだから、男性の視点で社会問題を考えることなど不要だと思われるかもしれない。

 


しかし、「男らしさ」や 「男性役割」の社会的・

歴史的相対性を前提として、ジェンダー視点から社会問題を考察した研究は、従来ほとんどなかった。

 


「男らしさ」という特性は、「女らしさ」以上に社会的に評価されている。

 


それゆえ、「男らしさ」を相対化しようとすると、そうした主張はすぐに「ふがいない」 「卑怯だ」「だらしがない」などの非難や「男らしくないことを肯定してよいのか」という反論を受けやすいのだ。

 


ゆえに、これまでほとんどの時代において男性たちが社会の主導権を握っていたにもかかわらず、いやだからこそ 「男らしさ」というジェンダー視点から社会問題を考察するような試みは、 男性学が創設されるまで ほとんどなかったのである。

 


男性学が焦点をあてる現代日本社会のもっとも大きな社会問題は、「働き方」 をめぐる問題である。

 


現代日本社会では、多くの職場において、長時間労働が常態化している。

 


長時間労働の背景には、1人あたりの仕事の分担があまりにも過重であるという基本的な問題があるが、それ以外に、「泣き言を言うな」 「悲鳴をあげるようなやつは負け犬だ」 「決められた時間内にできないやつは無能なんだ」など、労働者が労働の過重さを訴えにくくする社会規範が共有されているという問題があることが多い。

 


だからこそ労働者は、たとえ無給であっても、ときには同僚の目に触れないように隠れさえしても、何とか仕事をなしとげようと自発的に長時間労働してしまうことにもなるのである。

 


このような「働き方」 をめぐる社会規範には、「男らしさ」に関連するジェンダーが実に巧妙に織り込まれていることがある。

 


感想 

 


思春期の頃、ぼくはぜんぜん男らしくないと悩んでいたことがありますが、あの頃この文章を読んだら気が楽だったと思いました。

 


下記の本を参考にしました

 


『Do! ソシオロジー』改訂版       

 現代日本社会学で診る

 友枝 敏雄 他1名

 有斐閣アルマ

 

flier(フライヤー)