こんにちは。冨樫純です。
法哲学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。
そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。
タイトル
ロックの労働所有論
各人は自らの身体と自由への排他的支配権を持つという発想は昔からあった。
また私有財産が人間社会にとって不可欠の制度だという議論は、アリストテレスの『政治学』の中にすでに見出される。
しかし、その議論は、資源は共有のままよりも私有化されている方が効率的に利用されるという、現代の「法の経済分析」の議論に似た帰結主義的なものだった。
自己所有権に基づく天然資源所有の正当化は、イギリスの哲学者ジョン・ロックの労働所有論をもって初めとする。
彼は名誉革命の直後に公刊した『統治論』(1689年)の第二論(「市民政府論」と呼ばれることも多い)の「所有について」という章において次のように述べて、身体所有権と外物の所有権を結びつけた。
すべての人が自分自身の身体に対しては所有権を持っている。これに対しては、本人以外の誰も、いかなる権利をも持っていない。
彼の身体の労働とその手の働きは、まさしく彼のものと言ってよい。
そこで、自然が与え、そのままにしておいた状態から彼が取り出したものは何であっても、彼はそこで労働をそれに加え、彼自身のものを付け加えて、それへの彼の所有権が発生するのである。
そのものは自然のままの状態から彼によって取り出されたものであるから、この労働によって他の人の共有権を排除する何か付け加えられたことになる。
この労働は疑いもなく労働した人の財産なのだから、少なくとも共有物として他の人にも十分なものが同じように残されている場合には、いったん労働を付け加えたものにはその本人以外の何人も権利を持ちえないのである。
この文章を文字通りに読むと、ロックは、行為者は労働という自己の所有物を対象物に混ぜることによってその人格を対象の中にまで拡張し、かくしてその対象を自分の身体のいわば延長として所有する、と述べているかのようである。
感想
よく言われる議論ですが、改めておもしろいと思いました。
下記の本を參考にしました
『自由はどこまで可能か』
リバタリアニズム入門
森村 進